水菜譚 幕間:恋する兎-前編- ||||||||||||||||||||||||||||| 「何があったのかしら?」 目の前の少年にそう問う。 この少年が何者かは知らないが...。 察するにどこかで拾ってきたのだろう。 「その、龍という...殺し屋?からの 急襲がありました。 そこで毒を食らったみたいです。 恐らく暗器に塗られた毒かと。」 「ひぇぇ...。龍王伟...。」 龍王伟とは私が1万人いても勝てない存在。 「え?勝ったの?抹茶くん...。」 それを殺したのだとしたら、 私という存在が抹茶きゅんから霞んでしまう。 「............本人は負け、というと思います。」 「ふ~ん?どういう事?」 「水菜さんの首に、龍さんが鎌を刺そうと しました。そこで...僕が龍さんが鎌を 持っている方の手を撃ちました。」 「成程~...。はっ!?え!?当てたの!?」 つまるところ龍王伟と抹茶きゅんの 頂上決戦といっていいほどの戦いに この少年は割り込んだということだ。 「近かったですから。20m程の距離でしたし。」 「だとしても、よ。子供でそんなことできる子 なんて居ないわよ?」 20mとはいえ、銃は扱いずらい。 自分でもまともに当てられるようになったのは 14の頃だ。 だから12歳で命中させられるようになった 抹茶きゅんには正直嫉妬している。 「ちなみに~?あなたはいくつなの?」 「11歳です。」 「......そう。」 はい、嫉妬。嫉妬の対象増えました~! 「僕からも、質問していいですか?」 「構わないわよ~。何?」 「その...。水菜さんとあなたの関係は...。」 ん?この子..........................................?? 私と同じだな!? だって目がそうだもん!恋する乙女の目だもん! 恋敵にもなるつもりか...!!くぅ...。 だとしても男の子だし? 流石に私が勝つ...よね...?? 「夫婦よ~?」 「勝手に籍入れたことにしないで。」 抹茶きゅんが目覚めた。 まだ三分しか経ってないんだけどな...。 「水菜さん?大丈夫なんですか?」 「おうともよー。たっぷり寝て元気いっぱい。」 「まだ三分しか経ってないわよ...。」 「三分の睡眠はたっぷりじゃないと思います...。」 「誠君。亜嶋と同じこと言うと亜嶋が移るよ?」 「人を菌みたいに言わないでほしいのだけど...。」 失礼な...。私は恋する乙女なのに...!!悔しい。 「亜嶋は25にもなって落ち着きないから嫌ーい。 もうすぐアラサーなんだから落ち着き持ちな?」 「それ...気にしてるのよ...!!やめて...!!」 「25歳でそれなんですか?大分キツイですよ。」 「ぐはっ..!!死んじゃうから...やめて...。」 とてつもない威力の言葉のナイフに 心が痛い...酷い...。 「どうでもいいから。マッサージ。 右腕やばいから見て。」 「先にお風呂入ったら?血塗れよ?」 「ちっ。うい~............浸かってないよね?」 「勿論お風呂借りたわよ?」 「......吐きそう...。」 「そこまで言わなくてもいいじゃない...。」 「お湯流してきましょうか?」 「てんきゅ。使い方分かる?」 「さっきから言い過ぎじゃないかしら...。」 |||||||||||||||||||||| 「ふぃ~さっぱりさっぱり。」 火照った体に室内の寒さが染みる。 「右腕は大丈夫ですか?痛みとか...。」 「痛みはないね。てか感覚がない。 僕の右腕本当についてる?」 「大分重症じゃないの。早く横になって。 見てあげるから。」 亜嶋がまともな感じで近づく。 なにしても気持ち悪いってやっぱ 才能だよなぁ...。 「水菜さん...。」 そこでまた誠...君が口を開く。 「なーあーにー?」 「その...あなたの名前を...あなたの口から、 聞かせてください。」 キュン...♡ か...!!可愛い..!!何この子...!! 撫でまわしたくなる可愛さ。 にゃんこみたい。 ねこねこ。ぬっこぬっこ。にゃんこにゃんこ。 きじきじ。まやまや。みゃんかみゃんか。 「水菜抹茶。よろしくね?」 「...!!はい。お世話になります。」 「私無視してイチャつかないでよ~。 イチャつくなら私も混ぜて。」 「遠慮しておきます。」 「(´・ω・`)」 「何その顔は。マッサージ早く。」 「意地悪ぅ...。」 色々喧しい。それはどうでもいいけども。 敷いてある布団に横たわる。 ふかふか。もふもふ。気持ちいい。 「じゃあ触るわよ~。」 「下半身に手を伸ばそうと しないでください。セクハラですよ。」 「ちぇ~。」 「ナイス誠君。」 指摘された亜嶋がきちんと右腕の マッサージを始めた。 |||||||||||||||||||||| 「...ん?何したらこんな...ん...?」 「何?はっきり言ってくんない?」 「いや、筋肉がゆるゆるなのよね...。 なんか固めのゼリーみたいな...。」 「過度な衝撃による筋線維断裂、 感覚がない、とも言ってましたし 特殊状況下の衝撃で腕神経叢損傷 も起こったんじゃないないかと思います。 医師にみせるのが適当です。」 「随分詳しいわね?」 「誠君凄い...。わんしんけーそーそんしょー?」 「腕神経叢損傷です。神経移植手術が必要に なることもあるので今からでも 病院に行くべきです。」 「病院はやだ。亜嶋。何とかして。」 「私はスーパードクターじゃないのよ? 無理よ...。」 「亜嶋ならできる!ファイト!」 「僕の話聞いてました? 場合によっては右手が使えなくなります。 早めに病院に──────」 「えいっ。」 「痛い。」 「どう?治った?」 「痛み感じた...あっやばい... 右腕がぁ...悲鳴上げてるぅ...。」 「は!?治ったんですか!?」 「神経は何とかしたわよ。わん何とかは 大丈夫じゃないかしら?」 「腕神経叢損傷です...。 なんの技術でそんなこと─────」 「てりゃっ。」 「づっ!?あうぅ...。」 「まさか...。」 「お、動く動く。違和感は残るけど。」 「えぇ...??」 「ありがとうのキス頂戴?」 「投げキッスで我慢して。ちゅっ。」 「意地悪ぅ...。」 「んじゃ、寝るから。帰っていいよ。」 「え~?お泊まりは~?」 「いいけど布団ないよ?誠君いるもん。」 「一緒に寝ればいいじゃない。」 「亜嶋と一緒に寝るとか拷問じゃん。」 「ねえそれどういう意味!?」 「...。」 「どういう意味なの!?」 「どういう原理だったんですか...あれ...。」 未だに亜嶋ッサージに納得いってない誠君と 喧しい亜嶋を横目に、布団を運ぶのだった。 |||||||||||||||||||||||| 「いつまでいる気?」 水菜さんが布団を敷き終わっても 帰る様子のない亜嶋さんを横目に、 そう言った。 「え~!やだやだやだやだー! お泊まりがいいー!」 「どうしても泊まるんなら誠君に 言って。誠君は僕とおんなし布団に 入ることになるけど。」 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 大チャンス...。 「あ。やっぱ私帰──────」 「水菜さん。僕は大丈夫です。 是非、泊まってもらいましょう。」 「いや...ちょ──────」 「良かったね亜嶋。誠君が優しくて。」 「だから...あ...はい...。」 勝った。ゴリ押し成功。 水菜さんと同じ布団で寝れる...!! 「んじゃ、隣の部屋に布団あるから。」 「............ありがとう...。」 「何でちょっと不服そうなのよ。」 「いや...何でもないわ...。おやすみ...。」 「あっそう。おやすみっくすじゅーす。」 「おやすみなさい。亜嶋さん。」 確実に亜嶋さんは水菜さんに気がある。 ドヤ顔でおやすみと言ってやる。 しょんぼりしすぎてこっち見てなかった ので意味はなかったが。 |||||||||||||||||||||||| 「電気消すね~。」 「はい。大丈夫です。」 部屋が暗くなり、灯りはカーテンの隙間 から漏れる月明かりのみになった。 水菜さんも布団に潜り込む。 すかさず右腕に触れる程近づく。 「近くない?」 「普通だと思いますよ。」 「いや近いと思うんだけど...。」 「離れた方がいいですか?」 「んにゃ?別にいいけど...。」 暖かい。微かに甘い匂いもする。 家にいた時とは全然違う。 満たされて眠ることができる。 「その、水菜さん。」 「なぁに?」 「抹茶さん、って呼んでもいいですか?」 「別にいいよ。てか、聞かなくていい。」 「ありがとうございます。」 姓ではなく名で呼んでもいいと 言ってもらえた。嬉しい。 ...♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ 凄く、心地いい感覚。 もう少し、チャレンジしてみよう。 続く。 matya_machaの一言 ドウモ!!マッチャデス!! 久しぶりの亜嶋ちゃん主観。 ていうか三人全員の主観だね。 ちなみに兎章、[としょう]って読みます。 今回の賭章は[としょう]って読みます。 分かりづらいね。 ちなみに己章は[こしょう]って読みます。 胡椒ではないよ。(は?) 今更だけど、亜嶋ちゃんには元ネタと なったキャラクターが居ます。 気になる人は調べてみてね♡ next matya_macha's hint [亜美] ここまで見た人は「サブタイトルがラブコメっぽい」 ってコメントしてね。 てかここまで見てる人いないか。 まあ、この小説おもんないもんな。 コメント、☆,♡、拡散、宣伝等励みになります! 是非してください...。
兎章:裏-終-(前回) https://scratch.mit.edu/projects/1294147308/ 兎章:裏-序- https://scratch.mit.edu/projects/1289956841 兎章-序- https://scratch.mit.edu/projects/1283712450/ 幕間:師弟と女-序- https://scratch.mit.edu/projects/1279166950/ 己章-序-(一話的な) https://scratch.mit.edu/projects/1277548111/ 小話 誠君が水菜君にあげた刀は涙々恋歌という刀です。 (オリジナル) 小話2 幕間ですら二つに分けないと入りきらない事実で、 抹茶(作者の方)は剥げそう。