<お知らせ> 引っ越しとかで遅れました。 まだ色々落ち着いてはいませんが、少しずつ出すようにしていこうと思います。 最近レスポーレンのゲーム版を作ってます。 サムネ変えますた。(レオナールとしろがね丸の絵だよ) 戦友からの頼み 兵舎に着くと賊は牢に入れられ、セドリックは鍛冶屋にフルトレイ鉱石を渡しに行った。しろがね丸の首からはなぜか、青い液体が垂れている。転んだ時も付いてたこの青い液体は何だ?夜の海の様な色をしているが。 「しろがね丸、その青い液体は何だ?」 「これ?分かんない。気付いたらついてた。」 気付いたらついるもの...まぁこのことは後で考えよう。俺が自室に戻ろうとしたら、自室のドアの前で違う班の騎士が立っていた。昔、共に戦ったトレアディスだ。 「お久しぶりです。レジェール。」 「どうしたんだ?」 「上層部から燻りの血沼の探索を頼まれたのですが、そこには危険な魔物が居るそうなんです。そこで、レジェールの班の皆に手伝って欲しいんです。」 「分かった。相談してみる。」 「もし行くときは二十二時までに中央広場に来てください。」 燻りの血沼はここレスポーレン都の東にある高原の沼だ。なぜかその高原からは血のような水が湧き出る。燻りの血沼はその水が溜まった場所だ。沼に体が浸かると、浸かった部分を火傷し、しばらくしてから腐敗する。燻りの血沼には血を好む一族が森に潜み、来た者の血を吸うという伝説がある。おそらくそれが関係しているのだろう。 俺は会議室に戻り、皆にトレアディスの班のことを話した。 「トレアディスの班が上層部に燻りの血沼の探索を頼まれて、俺たちに手伝って欲しいそうだ。」 「トレアディス君はレジェちゃんの戦友なんやろ?断る理由ないんやないか?俺はいつでも行けるで。」 「手伝う。私もトレアディスには世話になったからな。」 「セドリックはどうする?」 「私は...やめておきます。皆さんの足を引っ張りそうなので。」 何かいつにも増して暗いな。確かにセドリックは足を引っ張ることは多いが、意外と何とかなってるし、居ても良いんだがな。囮はいて困ることはそんな無いからな。別に失敗したことなんて気にしていないんだけどな。 「セドリック、足を引っ張っても大丈夫だ。」 「ですが、邪魔になっていることには変わりありません。」 「大事なのは失敗しないことじゃない。失敗をするメンバーにも、色々なことを任せ合い、信頼し続けること。それが大事なんだ。失敗を許さず、仲間を大切にしない班や組織が成功することは無い。」 「不安なんですよ...」 セドリックがそう呟くと、ラフレスは葦ペンを置き、口を開いた。 「誰にでも不安はあるものだ。その不安を抱えても前を見て、不安と共に生きて行く。不安は時に壁になる。だが、それと同時に踏み台にもなる。」 「皆さん...。私が間違っていたみたいです。私も行かせてください。」 「二十二時までに中央広場に集合だ。準備しろ。」 セドリックがやる気を取り戻すと、後ろからしろがね丸が手を引っ張ってきた。シャラゴがしろがね丸の後ろでクスクス笑っている。また何か余計なことしたな。 「レジェール兄ちゃん優しい噓って何?」 「まだ知らなくて良いものだ。お前も行く準備しろ。」 「はぁい。」 俺たちは準備をし、中央広場でトレアディスたちと夜が来るまで待った。しろがね丸は先に寝ている。しばらく待つと日が沈み、夜が訪れた。 「時間になりましたね。行きましょう。」 「あぁ。」 燻りの血沼に繋がっている転送の火は、今弱まっていて使えない。俺たちは歩きながら情報交換することにした。 「そういえば、レジェールたちはアフトロネ岬で一度死んだんでしたよね。いつ生身に戻ったんですか?」 「言われてみれば確かに、いつ生身になったんだ?」 「アイルヒーンを討伐したときに生身に戻っていただろう?覚えていないのか?」 確かにアイルヒーンを討伐した後から体が半透明じゃなくなったな。あの時に生身に戻ったのか。シャラゴよく覚えてたな。 トレアディスの後をついて行くと、気付いたら全く知らない山の中に入っていた。罠か?でも、トレアディスは上層部とか普通の騎士を嫌っていたから違うか...。 「トレアディス...本当にこの道で合ってるのか?」 「えぇ。合っています。」 トレアディスは笑みを浮かべながらそう言った。その瞬間周りの草むらから槍兵と弓兵が出て来た。やはり罠だったのか! 「トレアディス、どういうことだ!」 「貴方たちを騙しただけです。まさかこんな簡単な罠に釣られるとは思いませんでした。その白髪の孤児をこちらに渡して頂ければ、それだけで良いです。」 「何が目的ですか!」 「やましいことではありませんが、それは言いません。」 「言え!」 「そこまで言うなら教えます。その孤児を殺すんですよ。」 「うっ!」 弓兵が矢を放ち、その矢がしろがね丸の肩に刺さった。しろがね丸の肩からは青い液体が出て来た。青い液体はしろがね丸の血だったのか。 「こんな血が流れるものがまともな命なわけがないでしょう?」 「だから何だと言うんだ!この子はただ捨てられて孤児院に入れられただけだというのに。」 「うるさいですね。一旦黙ってください。」 「ぐぁっ!」 トレアディスは何かが塗られた刺剣で刺してきた。痛くない...が、眠い...。俺は突然襲って来た睡魔に抗えず、そのまま眠ってしまった。 目を覚ますと、目の前には書類仕事をしているソルディアが居た。そして、隣にはレオナールたちが寝ていた。なんでソルディア商店の中に俺は居るんだ?ソルディアが助けに来れるような場所では無かったと思うんだが。 「あっ、目を覚ましましたか。」 「...なんで俺はここに居るんですか?」 俺がそう訊くとソルディアは羽ペンを置いて答えた。 「トレアディスさんが貴方たちを背負ってここに来たんですよ。」 「トレアディス!?」 「は、はい。そこにいらっしゃいますよ。」 「やぁ。」 横を見てみると、腑抜けた顔をしているトレアディスと、落ち着いた表情をしたしろがね丸が椅子に座っていた。トレアディスの反省していない顔本当に腹立つんだよな。しかし、何で俺たちを裏切ったはずのトレアディスが、俺たちを助けたんだ?そもそもなぜ俺たちを裏切ったんだ? 「トレアディス、何で俺たちを裏切ったんだ?」 「いやぁ、その時は本当に申し訳ございませんでした。貴方たちを少し私の小遣い稼ぎに利用させていただきました。」 は?小遣い稼ぎ?人の命係ってんだぞ。 「ふざけんな。」 「酷いですね。私も好きでこんな性格になった訳じゃないんですよ?」 「そんなことより、なぜ上層部はしろがね丸を殺したがってるんだ?」 トレアディスはガシガシ頭を掻きながら言った。 「この国の古い言い伝えに、『青い血の流れる者は呪われた者だ』というものがあるんですけど、何か上層部がそれを信じてしろがね丸君を殺したがっているそうです。私も何度も止めたのですが、後に帝国の邪魔をする者になるとかいう言い訳をするんですよ。」 「上層部はそんなことで殺そうとしてるのか!?」 「正確に言えば上層部の一部の人がですがね。」 そんな奴が上層部にいるのか。だとしたら早めに辞めさせないとな。第一司令官に解雇するように言っておくか。 「セドリックさんに訊いてみてください。しろがね丸君の呪いを解く方法があるか。」 「呪いは言い伝えだろ?」 「多分呪いというのは本当だと思います。なにより、あの子はただの子供じゃないので。いずれ貴方が来る場所で待っています。」 「どういう...」 「私は今から仕事があるのでお先に失礼します。」 トレアディスはそう言うと逃げるかのように店を出て行った。トレアディスはなぜ呪いが本当だと分かるんだ?セドリックが呪いを解く方法を知ってるのも知ってたし。まぁ言われた通りにセドリックに訊いてみるか。皆を起こしてソルディアに礼を言い、店を出た。もう周りにトレアディスの姿は無かった。
オリジナルです。