主人公:白石 蒼空(しらいし そら) ヒロイン:月島 心春(つきしま こはる) 蒼空の幼馴染で大親友:黒川 蓮(くろかわ れん) 心春の幼馴染で大親友:水瀬 莉子(みなせ りこ) ※サムネはAIで作った ※春休みが終わってしまったぁぁぁ ※感想はコメント欄によろしく〜
第3話「教室の距離」 昼休みの教室は、いつもより少しだけにぎやかだった。 「蒼空、今日購買行く?」 黒川蓮が椅子を引きながら聞く。 「行く」 「じゃあ決まりな」 二人が立ち上がろうとしたとき―― 「あ、待って!」 水瀬莉子が声をかけてきた。 「私たちも行く!」 「私“たち”?……ああ、月島もか」 蓮がちらっと後ろを見る。 そこには、少しだけ遠慮がちに立っている月島心春がいた。 「……迷惑じゃなかったら」 「別にいいよ」 蒼空がそう言うと、心春は小さくうなずいた。 購買は、思ったより混んでいた。 「人多っ……」 「まあ昼休みだしな」 蓮と莉子が前に出ていく中、 蒼空と心春は少し後ろに残る形になる。 「何買うの?」 心春が小さく聞く。 「パン。適当に」 「そっか」 短いやりとり。 でも、なぜか気まずくはなかった。 そのとき、人の流れに押されて―― 「っ……」 心春の肩が、蒼空に軽くぶつかった。 「あ、ごめん」 「いや、大丈夫」 ほんの一瞬だけ、距離が近くなる。 心春は少しだけ驚いたように目を伏せた。 蒼空も、なんとなく視線をそらす。 (……近いな) 妙に意識してしまって、落ち着かない。 「おーい、二人ともー!」 莉子の声が飛んでくる。 「早くしないと売り切れるよー!」 「今行く」 蒼空は短く返して、前に進む。 そのあとを、心春がついてくる。 教室に戻ると、4人でなんとなく机を寄せた。 「なんかもう、これいつものメンバーじゃね?」 蓮が笑う。 「いいじゃん、楽しいし」 莉子がパンをかじりながら言う。 心春は小さく笑って、蒼空の方を見る。 その視線に気づいて、蒼空は少しだけ顔を上げた。 「……何?」 「ううん、なんでもない」 やさしく笑うその表情に、 なぜか少しだけドキッとする。 昼休みが終わって、それぞれ席に戻る。 (……なんか、変な感じだな) 蒼空はぼんやりと思った。 いつもと同じはずの教室。 でも、少しだけ違う。 放課後だけじゃなくて、 学校の中でも―― 4人でいる時間が、少しずつ増えていく。 それが、当たり前になり始めていた。