リリーが、死んだ。そんなはずない。 だってリリーの体は特別なんだから。剣も矢もすり抜けて、届くはずがないんだから。だから、リリーが死ぬわけがない。何かの間違いに決まってる。 無理があるってのは分かってる。今回の戦いの中、私たちは逸れてしまったけど、戦いが終わったあと、そこにリリーの姿は無かった。それどころか、序列二位のリーレ様すら亡くなってしまったらしい。あの混戦の中なら、誰が死んでいてもおかしくなかった。でも、でも、なんで?なんでリリーなの?なんで私じゃ駄目だったの?なんであいつらは私から何もかも奪っていくの?町を追い出されたのも、今思えばそのおかげでリリーに会えたから良いと思えた。なのに、私の唯一の救いだったあの子を、なんであいつらは奪っていくの?許さない。私もあいつらから大切な物を奪ってやる。聞いた話だと、マギアレイとかいう将軍がまだ生きているらしい。私もそいつから大切な仲間を、家族を奪ってやる。決してのうのうと生かしてやるものか。帝国の奴らを決して許しておくものか。帝国を滅ぼして、人間を一人残らず狩り尽くせば、またリリーが天から帰って来るのではと思わずにはいられない。あのとき、私が冬の町を逃げ出して、途方に暮れて凍えていたとき、私を救ってくれたのはリリーだった。なら、もう一度リリーは私を救ってくれるかもしれない。今この瞬間にも、空から羽ばたいて降りてくるかもしれない。そうすれば、また一緒に思い出を沢山作れる。だから、お願い。来て。 リリーはまた来るはず、それはきっと間違いない。だから、リリーが帰ってきたら沢山思い出を綴るために、残りのぺージを残しておくことにするから、お願い、帰ってきて。また思い出を沢山作ろう?今度は全て漏らさず、ここにも書き残すから。ぺージはまだ沢山あるんだから、それを埋められるだけの沢山の思い出を作ろう?リリーが帰って来るまでに、人間の居ない平和な世界を私達が作っておいてあげるから。