「私の一番の宝物」 雨栗視点 ある夏の暑い日のこと。 いつもと変わらない日常である。 るざぴは学校から帰ってきてすぐにおんりーちゃんと魔法の訓練をすると言って家を飛び出して行った。 るざぴはいつも元気だけどおんりーちゃんと遊ぶ時はいつもよりも笑顔が眩しい。 そんなるざぴを見ていると私まで笑顔になれる。 るざぴはそんな存在だ。 るざぴの紹介はここまでにして私は自分の宿題に取り掛かることにする。 今日の宿題は「一番の宝物を見つけ、それについての作文を書く」だ。 なぜ魔法学園でこんな宿題が出るのかは謎だがとりあえずやっておく。 私はこの宿題が苦手だ。 なぜなら、普通の作文と違って、「一番の宝物」を見つけなければいけないからだ。 私にはすぐに思いつく「一番の宝物」はない。 なければ嘘でもいいと思う人もいるかもしれない。 だが私は嘘をかきたくない。だから今から「一番の宝物」を見つけに行くことにした。 とりあえず、靴を履き玄関をでる。 特に行きたい場所もなかったので、散歩をする気分で歩くことにした。 学校の前を通って公園に着いた。 なぜ公園に向かっていたかはわからない。足が勝手に動いていたのだった。 私は自販機で飲み物を買ってベンチに座る。 飲み物を一口飲んだところで聞いたことのある声がした。 「あ、雨栗さん!」 るざぴだった。 おんりーちゃんもいる。 2人は公園で魔法の訓練をしていたのだった。 2人が駆け寄ってきた。 「2人は魔法の訓練中?」 私が聞くとおんりーが静かな声で「はい」と返事を返してくれた。 「そっかぁ、あのさ、私が魔法の訓練を見てても邪魔じゃない?」 考えるよりも先に口が言葉を発していた。 るざぴはおんりーちゃんと顔を見合わせてから笑顔で答えた。 「もっちろん!!」 「やった!」 2人が嫌がる素振りを見せず、すぐに返事を返してくれたのが嬉しかった。 私は公園のベンチに座る。 2人が魔法の訓練を再開する 地面に太めの木の棒を立たせて、それをきれいに割ったりしている。 言うまでもないが2人とも魔法を使うのが上手い。 私が感心している間にもすごい量の木の棒が真っ二つに割られていく。 いっそ2人で薪割り業者とかやったらどうだ、などと考えていると2人がこちらにやってきた。 手には飲み物がある。休憩するようだ。 「結構地味な魔法だけど疲れるんだよね」 おんりーちゃんが言う。 そりゃそうだ。一つや二つならまだいいが、あんなに大量の木の枝を真っ二つにしていたら疲れるに決まっている。 「まあ、あの量はさすがにキツイよね〜」 るざぴはのんきそうに言う。 おんりーちゃんに比べれば割った数は少ないがそれでもるざぴも結構な数の木を割っていた。 「2人ともすごいよ。私だったらすぐ疲れちゃうよ。」 そんなことを話しながら休憩をする。 5分ほど経って2人はまた立ち上がった。 するとおんりーちゃんが 「ねねー雨栗さん!お願いがあるんだけどいいー?」 と聞いてきた。 「ん?何?」 と答えるとるざぴが 「創造魔法で石とか出して欲しいの!」 と言う。 「それは2人が魔法で割れるくらいの硬さのやつ?」 るざぴが頷く 「うん、それならいいよ。私もなんか魔法使いたい気分だったから」 さっそく立ち上がって試しに大きめの石を出してみる 「お!そのくらいがちょうどいいかも!!」 「そう?じゃあどんどん出してくから2人とも割ってってね」 「木よりも難しくなってるはずだから面白そうだな」 おんりーちゃんも笑ってくれた。 「よーし!じゃあスタート!!」 1時間後 「待って、さすがにもうきつい」 3人が同時に同じ言葉を言った。 3人で顔を見合わせ笑い合う 「疲れたけど、すっごく楽しかったぁー!!」 るざぴの言葉に 「うん、魔法の練習にちょうどいいかも」 とおんりーちゃんも言う。 公園に来た時には空の色は青かったのに今はオレンジ色だ。 「そろそろ帰らなきゃだね。私もいい練習になったよ。ありがとう!」 「もう夕方か。今日は楽しかったよ。明日ね」 おんりーちゃんが手を振って帰っていく 「おんりーちゃん、ばいばーい!」 るざぴが大きな声で呼ぶ おんりーちゃんは振り向いて笑顔を作った。そしてまた前を向いて帰っていく 「今日は疲れたね。2人ともすごいや。」 「雨栗さんだってすごい速さで石出してたよ」 そんなことを話しながら2人で家に帰っていく 「一番の宝物を見つける…」 「ん?雨栗さんなんか言った?」 「え?ううん、なんでもないよ。ただ一番の宝物を見つけられたなって思っただけ。」 「宝物…?何?」 「普通の日常。ただ遊んだり魔法の練習をする日常。 それがわたしの宝物。」 end
月影 永愛です 一応言っておくと志紅の小説の二次創作?です。 時間なさすぎて使い方のところに書いてます