--- ## ◇ヴェイル過去編 ――冥影ヴェイルは、元々“影”の存在ではなかった。 かつて彼は王国随一の英雄だった。 名をヴェイル・ラグナス。 迷宮攻略、魔王討伐、国防、政治、外交―― 彼は生涯のほとんどを“国のため”に使ってきた。 だが、ある日。 世界全土に“異常値の影”が降った。 虚王ザラ――世界外側の侵略者の襲来。 王都は燃え、軍は消え、人々は“存在の記録”を奪われ影に変わった。 ヴェイルは剣を取り、ただ一人立ち向かった。 王女 「ヴェイル、逃げて!まだ戦えるのはあなたしかいない!」 ヴェイル 「――だから行くんだ。俺が行かなきゃ誰も守れない!」 王宮の大階段を駆け上がり、 虚王の投影体へと剣を振り下ろした―― 虚王ザラ 《興味深い。“人間にしては”強い。》 ヴェイル 「俺は人間……だから、勝つ!」 だが―― 虚王ザラ 《ならば教えてやろう。人間であることの限界を。》 たった一撃。 本体から放たれた概念干渉により、彼の存在情報は“死亡――記録抹消”。 剣も、名誉も、歴史すらも消され――ただ“影”だけが残った。 その中で、ヴェイルの魂は叫んだ。 ヴェイル(影の中) (まだ負けてない……!俺が消えたら、国が、仲間が、声ごと消える!) そして影の軍勢の中で、 ヴェイルだけが“自我”を取り戻した。 ヴェイル 「……魂にも、重さはある。なら――影でも戦える。」 反逆は、ここから始まった。 影兵 「ヴェイル様……!」 ヴェイル 「まだ立てる奴はついてこい。死んだって戦える――“記録がなくても、意思だけは折れない”。」 死者軍は世界外側へ逃れ、そこで“生者の反撃”を待ち続けた。 そして今日。 五極が自分たちと同じく敗れ、再起した。 ヴェイル (今度こそ――勝機はある。) --- ## ◇ザラ側視点 虚王ザラは座していた。 世界を俯瞰する“概念の玉座”に。 虚王ザラ 《面白い。敗北者同士が再起し、手を組むとは。》 漆黒の空間に、部下たち――虚構将が並ぶ。 虚構将・第一 「処理しますか?死者の軍勢も、五極も。」 虚王ザラ 《否。》 ザラは軽く首を振る。 虚王ザラ 《彼らは“負けを知った”。負けを知った敵は――強い。殺すのはつまらぬ。》 虚構将・第二 「では……?」 虚王ザラ 《育てる。》 虚王は楽しげに笑う。 虚王ザラ 《人間がどれほど強化され、魂がどれほど燃えようとも――“存在階層”を超えられない。》 玉座の周囲に、五極の過去戦闘ログが浮かび上がる。 虚王ザラ 《さあ、見せてもらおう。世界の外へ届く、人間の“次の一歩”を。》 --- ## ◇戦闘開始――死者の軍勢、出撃 世界が揺れた。 雨宮夕 「来る……!」 黒空から――虚王軍の三万の影兵が雨のように落ちてくる。 白夢 「俺が前に出る。 邂纎、道作れ!」 邂纎 「任せろッ!!」 槍を大地に突き立てる。 邂纎 「――戦場分断《裂界奔流・十六断》!」 大地が裂け、 虚王軍の降下ルートを強制的に“十六の戦域”に切り分ける。 ヴェイル 「死者軍、展開ッ!!」 影兵たち 「「「応ッ!!!」」」 死者軍が一斉に戦域へ走る。 その影の中には、かつての騎士団、魔術師団、民兵、冒険者――様々な“歴史に存在しなかった英雄”がいた。 アリシア 「支援領域、展開ッ! 《天環・全域加速(オーバーレイ・アルティマ)》!」 地が光り、死者軍の全体能力が跳ね上がる。 雨宮夕 「精霊軍、百隊リンク、行けッ!乱流制御――《大天空戦域(グランド・ストラトフロント)》!」 天に光の龍が百体走り、虚王軍を迎撃する。 白夢 「俺も行く。ルールの外側から――ルールをぶん殴る!」 世界法則を拳で殴り、破壊と再構築の余波が虚王兵を吹き飛ばす。 エイン 「世界記録の書き換え、開始。死者軍の魂――“存在値”測定開始。」 エインが概念領域を開く。死者の情報が“世界に戻り始めた”。 ◆ヴェイル、吠える ヴェイル 「聞け、死者ども!!“死んだまま終われるか!!”“消されたまま黙っていられるか!!”“記録を奪い返せ!!” ――今日が、俺たちの戦争の始まりだぁ!!!」 死者軍 「「「応ァァァッ!!!」」」 死者と生者、 影と記録、 存在と無。 すべてを抱え―― **五極と冥影は、虚王軍との“第二の戦争”を開始した。** そして、、、、ゲームの様に表示された相手の名は《時翳エクリプス》