夏モチーフの小説思いついたんですけどその前に梅雨モチーフの小説書きたくて書きました。 紫陽花でもよかったんですけど花被ると面白く無いので蝸牛(かたつむり)にしました。 ちなみに若干BLくさいしすっごい長いです。悪い癖 表現方法力入れました気づいてくれ 中に登場人物紹介が2つあります。上にある方先に読んでください。 前作→ https://scratch.mit.edu/projects/1298481865 次作→ ーーーーーーーーーーーーーーーーー 『雨も風も吹かぬに 出ざ、かま打ち割ろう。出ざ、かま打ち割ろう』 カタツムリってあだ名の人を探してる。 のろくて、恥ずかしがり屋で、でも我慢強くて優しいあのカタツムリ。 見た目は…猫背で、…身長は…まぁ大きい方だろう。 でも、その人はどうやら物知り屋さんでしかも僕と話したいって言っていたんだ。 さっき言った通り、その人は恥ずかしがり屋だから僕に直接会ってくれない。まるで雨の中かたつむりをさがしてるみたいで。 放課後、僕は「カタツムリ」を捜すために同年代の教室をそれぞれのぞいて行った。 雨がシトシトと降る少し薄暗くなった放課後。 他のクラスに居らず、自身のクラス教室に戻る。 3-C。窓際に座っていた男子中学生。 「…?」 猫背、体の大きい、人が椅子に座っている。 思わず僕は彼に近づいた 冠搗「…君が……君が、“カタツムリ”!?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「……“カタツムリ”。」 彼は復唱した。 冠搗「そ、そう!僕に会いたいってひとづてに言ってくれたんだよね!?嬉しい!僕もね、化学が大好きでさ、特にミョウバンの結晶が好きでさ!それでさ…!」 「待って。」 彼は僕の手を握る。 冷たい。でもどこかあつい。 冠搗「…っ、…あ……」 「……君の名前。教えて」 冠搗「…ぼ、僕、冠搗 健太郎(かんづき けんたろう)。…か、カタツムリは僕のこと知ってる?」 「……うん、知ってるよ。…自由研究で賞取ってたよね。」 …!認識されてる!あのカタツムリに! と喜んだのも束の間、彼は椅子から立ち上がった。 カタツムリというにはどこか凛々しくてぴん、と張った背筋。 成長期が遅い僕は百六十も満たない背。 それに対して彼は百八十を満たす大きな背。 目が少ししか見えないぐらい長い前髪。 耳を隠す横髪は金属の光がかすかに反射している。 その反射光は右しか無く、左目の下にはホクロがある 「……面白いね、冠搗くん。…僕、君と話せて嬉しいよ」 成長期の終盤特有の、低く湿った声。大人というには制服が嘘になり、子供というにはこの音が幻聴になってしまう。 カタツムリには毒がないはずだが、彼は全身に甘い毒が回っているような、アミグダリンが回っているようなきがした。 尊敬とは違う、別の感情が僕の中で芽生えた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー その日から彼は話しかけてくれた。 なぜか名前はずっと教えてくれなかった。 防災頭巾に名前は書いてないし、教科書の名前を見ようとしてもすぐにしまっちゃう。 絶対に名前当ててやる…!と息混んでいた。 ある日の授業中、その時はやってきた。 先生「…はいこの問題を___。…おい、…おい!…お前!」 恐る恐る見るとカタツムリが殻から頭を出した。 「…はぁい」 先生「寝てるってことはわかるんだよな?この問題なんだ答えてみろ」 「3x+8yです」 先生「…正解だ。なんだお前、舐めやがって……名前は。…山伏 龐果(やまぶし おおか)…はっ、覚えたからな。新任だからって舐めんなよ、この学校初でもこちとら教師歴10年なんだわ!」 …山伏……おおか。漢字はわからない ふと彼と目が合った。 山伏「…“バレちゃった”」 声は発していない。口パクだった。 でも声が聞こえた気がしたんだ。 ああ、やっぱりずるい。…おおかくん。カタツムリのおおかくん。…なんでこんなに僕を魅了させるんだ。 僕専用の毒、どこで調合したのさ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 冠搗「……山伏、くん」 山伏「…いつもみたいにカタツムリでいいのに。…せっかくずっと隠してきたけど、あの先生にバレちゃったなぁ」 冠搗「……な、なんで名前……教えてくれなかったのさ」 山伏「君なら、……僕の名前探してくれるかなって。…尊敬してるんでしょ?カタツムリのこと」 冠搗「っそ、そうだけど……ぁう、…その……」 山伏「…なあに。…言ってよ、気になるじゃん」 ずるい。 全部分かっているくせに、僕の顔見てきっと全部見透かしているはずなのに。僕の手や腕を自然と優しく触ってくるし。 なんでこんなに…こんなに山伏くんのこと見てると綺麗だなって思っちゃうんだろう。 酷く妖艶で、惑わすような目つきで…… ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「…おかしい」 明らかにおかしい。 彼の知り合いと思われる人や化学部に頼んで噂を回したはずが。 一向に彼が話しかけてくれない。 「… 冠搗、くん」 化学部の顧問が、僕宛に手紙が来たと言ったときは驚いた。まさか知らない人にあだ名宛で手紙が来るとは。その上、僕を尊敬しているとは…… 「……のろくて、猫背で。…そのせいでカタツムリと呼ばれて。…でも君のおかげでカタツムリと呼ばれて良かったと思っているんだよ」 早く会いにきてよ。…僕のこと尊敬してるんじゃ無いの?…どこにいるんだよ ?「…っど、どこ?…化学室?」 ?「うん。……ここに、…まぁ」 科学室のドアが開いた 「…?誰ですか」 山伏「…やぁ、…カタツムリ」 「……山伏」 ?「ん?…誰?この人」 山伏「…冠搗くん、ほら。…“ほんもののカタツムリ”」 「…!!!」 ぎぃぃ、と科学質の丸椅子がい後ろに下がる。 冠搗「………え?」 驚いて丸い目が更に丸くなっている ……可愛い 彼が冠搗くん、か。 ……なんでソイツと、いるんだ? 冠搗「…え?え?どういうこと?…山伏くんがカタツムリなんじゃ無いの?」 山伏「違うよ。僕は“カタツムリ”じゃない。…彼、…蝸道 瑛人(かみち えいと)がカタツムリだよ」 蝸道「……」 長い髪の隙間から山伏を捉えた 蝸道「……なんで彼と居るんだよ。……彼は僕と話したいと言ってくれたたった一人の子なんだ」 冠搗「…っな、じゃ、じゃぁなんで僕に嘘ついちゃったの!?…なんで嘘つくメリットが……」 山伏「……君、……可愛いんだよね。…あと、びっくりするぐらい純粋で。……ちょっと閉じ込めたくなっちゃうな」 蝸道「……は、…ほんっと、手癖がわるいな。さすがクズ男」 山伏「…で、どーすんの?…僕とお話しするか、…カタツムリと科学のお話するか。…どっちがいいの」 冠搗「…っ、……」 熱帯びた視線。そうだよな、こんな毒回された後にかたつむりなんかいったってつまらないよなぁ 蝸道「……返答わかってるくせにわざわざ聞くとか、性格悪いな」 山伏「見せつけるの大好きだもん」 蝸道「…キッショ。幸せになれよ」 冠搗「あ、…っ、か、…カタツムリ、…」 蝸道「……蝸道だ。……冠搗くんの想像する子じゃなかったんだよ。…とっとと山伏の毒に溺れとけ」 僕は科学室を後にした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 蝸道「……、…は〜〜〜〜、……」 うざいうざいうざいうざい。 まさか冠搗くんに一目惚れした挙句、その子がすでに山伏の毒に溺れてるとは。 アサガオみたいにバカな恋だった。 蝸道「……あー…尊敬ってばかみたい」 室内にph 7.0の雨が降った。 あいつなんか嫌いだ。 『でんでんむしむし、でんでんむしむし。』