小説は下↓ 題名:『色彩の過食症』 その世界は、毎日が「最高のパレード」の終わり際のような色をしていた。 空からはキャンディのような甘い雨が降り注ぎ、地面を叩く音はすべて軽快なタップダンスのリズム。私は一人、誰もいない大通りで、もう三百年も笑い続けている。 「ははっ、見てよ! 今日は雲が全部、綿菓子になっちゃった!」 私は、宙に浮く巨大なスプーンを振り回し、空を一口食べた。 あまりの美味しさに、脳の奥で火花が散る。楽しすぎて、視界がチカチカと点滅する。ここでは「悲しみ」という概念は、あまりに古すぎて辞書から消えてしまった。 ふと、街路樹の街灯が、私に向かってお辞儀をした。 「おめでとう! 今日は君の、一億回目の『何でもない日』だね!」 街灯の言葉に合わせて、地面から色とりどりのクラッカーが弾け、金銀の紙吹雪が空を埋め尽くす。視界が塞がるほどの輝き。私はその中で、狂ったようにくるくると踊り続けた。 踊っているうちに、自分の指先が、七色の絵の具になって溶け出していることに気づいた。 でも、それがおかしくてたまらない。 指が溶ければ、世界をもっと鮮やかに塗り潰せるじゃないか。 私は溶け落ちる右腕を振り回し、真っ白な宮殿の壁に、大きな「笑顔」を描いた。 壁が笑い声を上げ、震えながら崩落する。 崩れた瓦礫は、色鮮やかなマカロンに姿を変えて、街中に転がっていく。 「あはは! 全部お菓子! 全部宝石! 全部、僕の宝物だ!」 私は、自分の足がもうキャンディ細工のように固まり、動かなくなっていることに気づく。 膝が折れ、地面に倒れ伏すと、そこから甘いシロップが溢れ出した。 私はもうすぐ、この世界の一部になる。 この最高に楽しくて、あまりに眩しすぎる景色を塗り固める、一滴のペンキになるんだ。 視界の端で、さっきまで私だった「色の塊」が、新しい太陽を作ろうと空へ昇っていくのが見えた。 私は意識が溶け去る寸前、最後に一つだけ思い出した。 ――そういえば、どうして僕は、一人でこんなに笑っているんだっけ? その疑問さえも、降り注ぐカラフルな紙吹雪の下に、あっという間に埋もれて消えていった。
小説も書いたよおおおお 拡散してえええ 小説を書けば書くほど、欲望が増えるじゃないか。 作者はこの小説を書き、ひとつ思った。 ーーなんで僕はこんな厨二病みたいなやつ書いたんだっけ? それも、作者の欲望に埋もれていった。