STがNGPを発表して数週間が経ちますが、なぜこのようなことが起きたのでしょうか。 原因はCOPPAという、FTCというアメリカ版公正取引委員会が運営・指揮する、子供を守るための、過保護を煮詰めまくったような法律が2026年4月に改正されたからです。このcoppaはこれまで非営利組織には適用されてませんでしたが、コロラド州やオレゴン州のデータプライバシー法など、非営利を対象外としないところも出てきたわけなんです。そして2025年1月に可決され、2026年4月に遵守義務が始まった最新のCOPPA規則改正(生体データの定義拡大やデータ保持制限の厳格化など)に伴い、FTCは「子どものデータ保護」の基準を大幅に引き上げました。すなわち、FTCは、COPPAの枠組み(条文)に直接当てはまらない組織に対しても、子どもの不適切なデータ管理や過度なデータ保持をFTC法第5条、いわば不公正または欺瞞的な行為として取り締まるとかいうことにしたのです。 問題はCOPPAが強すぎることです。 例えば、絵師さんに依頼するとかなっても、U13の個人嗜好を親の同意なしに収集したで言われるし、scratchのスタジオにGooglesitesのリンクを載せたら営利組織(Google)傘下のリンク→IPアドレス収集やん!!!ってなるわけで、理論上改正coppaを使えばscratchのスタジオの半分以上は詰むわけです。 だからこそ、STはNGPを実装しようとして、一旦傾向も排除してどう折り合いをつけるか色々やっているわけなんです。 STはギリギリまで子供の味方です。生きた心地がしないような枠組みを作っているのはこのcoppaなのです。 そして、個人的な見解として、また皆さんも考えて欲しいんですけど、COPPAって結局、年齢確認という名のプライバシー侵害ではないでしょうか。 特に、「年齢確認したいのに、確認プロセス自体がCOPPA違反になる」という事業者側の矛盾を受け、FTCが2026年2月に方針声明として出した特例措置では、「年齢確認のためなら、親の同意なしで生体認証情報などの個人情報を一時的に収集しても取り締まらない(免責する)」となったのです。要は「子どものプライバシーを守るための法律が、結果的に子どもへの生体認証を全ネットで義務化・定着させる免罪符になっている」わけで、FTCのソレは論理的にも終わってるわけです。 そしてそもそも、学校現場や世界中の子どもたちが「無料で自由に使えること」を前提にしているScratchにとって、全ユーザーにそんな高度な生体認証を噛ませる余裕はないです。 そして、希望があるのが、この改正COPPAはトランプ政権になる直前に職権濫用で世間を騒がせたリナカーンが滑り込みで作ったものです。現在は新委員長のアンドリュー・ファーガソン氏のもと、前体制の「とにかく企業を締め上げる」方針から「無駄な規制は無くし、一般市民の本当の安心を守る」という現実路線になっており、今後のFTCは「FTCのモラルと正当性を立て直すこと」に向けて励んでいるそうです。要はトランプ政権になってから「話の通じる現実路線」になったらしいですよ。 (追記:リナさんは全部悪い人間ではないです。むしろこんな政策も残した人です。 1.企業が仕掛けた「解約しにくいセコい罠」を、国家権力(FTC)でぶち壊してくれる。 2.辞めた後に「ライバル会社で働くの禁止」と言われて困っている若者を、法律で救おうとしてくれる。 3.大好きなアーティストのライブに行けない原因を作っている「独占企業」を、ガチで潰しに行ってくれる。 ) とりあえず、NGPが救われることを祈るばかりです。
https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2025/01/ftc-finalizes-changes-childrens-privacy-rule-limiting-companies-ability-monetize-kids-data https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2026/02/ftc-issues-coppa-policy-statement-incentivize-use-age-verification-technologies-protect-children ____________ フィルターをかけた版 最近、Scratch で NGP という新しい仕組みが発表されました。 「どうしてこんな変化が起きたのだろう?」と思った人も多いと思います。 実は、アメリカには COPPA(子どもを守るための法律) という決まりがあります。 今年、この COPPA が改正され、子ども向けサービスにとても大きな影響が出ています。 この変化については、世界中でいろいろな意見が出ていて、今も話題になっています。 改正後の COPPA では、 「子どもの情報をどう扱うか」 「どれくらいの期間保存してよいか」 などが、これまで以上に厳しく見られるようになりました。 さらに今年、COPPA の運用について特別な例外が発表され、 「年齢を確認するためなら、一時的に特別な情報を集めてもよい」 という方針が示されました。 これによって、 「子どもを守るための法律なのに、確認のために別の情報を集める必要が出てくる」 という、少し複雑な状況が生まれています。 こうした変化は、Scratch のように世界中の子どもたちが自由に使うサービスにとって、 とても大きな負担になります。 Scratch Team は、この新しい COPPA に合わせながら、 できるだけみんなが安心して使える形を保とうとしているのだと思います。 NGP も、その対応の一つです。 つまり、今回の変化は Scratch Team が勝手に厳しくしたわけではなく、外部の法律の影響がとても大きい ということです。 ST は、みんなのために最善の形を探している途中だと思います。 NGP が、より良い形で落ち着くことを願っています。