British Airways Flight 38 は、北京からロンドンへ向かっていたボーイング777が、着陸直前に両エンジンの推力をほぼ同時に失い、滑走路手前に不時着した事故です。原因は燃料そのものが凍ったわけではなく、燃料中にごく微量に含まれていた水分が長時間の極低温飛行によって氷の結晶となり、燃料配管内の熱交換器に蓄積したことでした。着陸のためにエンジン出力を上げようとした際、その氷が移動して燃料の流れを妨げ、エンジンへ十分な燃料が供給されなくなったため推力が低下しました。 雑学として、この事故はボーイング777が運航開始以来初めて「機体が全損(Hull Loss)」と判定された事故として知られています。また、事故後の調査によって同型機の燃料熱交換器の設計変更が行われ、世界中の777に改修が施されました。さらに、機長の冷静な操縦によって機体は空港敷地内まで到達しており、乗員乗客152人全員が生存したことから、航空史上でも「被害を最小限に抑えた見事な緊急着陸」の一例として語られています。
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