〇月〇日 気づいたら、いつの間にか見たこともない部屋にいた。 壁は薄汚れた黄色で、天井の蛍光灯はチカチカと不規則に光っている。 床のカーペットは古く、湿った匂いが鼻に刺さる。歩くたびに、繊維が靴に絡まる感触がして気持ち悪い。 「…ここ、どこ…?」 声に出してみたけど、返事はない。 廊下を歩くと、景色はどこも同じ。曲がっても、進んでも、同じ黄色い壁と床、天井しか見えない。 遠くから低いうなり声みたいな音が聞こえた気がする。 足音じゃない、機械でもない、何か不自然な音…。 後ろを振り返ると、さっき通ったはずの部屋がまた目の前に広がっていて、出口はどこにもない。 息が苦しい。心臓もバクバクして止まりそう。 「助け…」 小さく呟いたけど、この世界には答えてくれるものはいない。 ただ、無限に続く黄色い壁と、チカチカ光る蛍光灯だけが、僕をじっと見つめている。