タイトルに魔法少女と入っていますが、自分では魔法少女ものとは思っていません。 ………………………………………………………………『魔法少女になったら何をしたい?』 もし魔法少女になれたら。 フリルのついた衣装を翻し、神々しい魔法のステッキから『敵』を倒すまばゆい魔法を放ち戦う魔法少女たち。 魔法少女は言う。 「私たちの夢が」 「みんなの愛が」 「未来を信じることが」 『私たちの力になるの!!』と もし悪役になれたら。 漆黒の衣装をまとい、おどろおどろしい杖から『魔法少女』を倒すための恐ろしい魔法を放ち魔法少女に消される悪役たち。 悪役は言う。 「人間の歪んだ心が」 「私の闇が」 「絶望した心が」 『我々の力になる』と 魔法少女は人間で悪役は闇や欲そのもの。 魔法少女は聖人君子で、悪役は人間の外道。 大みそかにならす除夜の鐘、欲望を消すためという。 なあ、あえて聞こう。 魔法少女と悪役。 人間 どちらも『欲望』じゃないか? ……………………………………………………………… 『可思議 亜梨栖』は不思議ちゃんだ。ほとんど毎日学校に遅刻する。運動も勉強もできず、常におかしなことを言ったりしたりして学校の先生をいつも困らしていた。だが当の本人はそれがわからず自由気ままに過ごしているように見えた。クラスメイトや周りの人からは「もう、亜梨栖は不思議ちゃん何だから」と言われながらかわいがられていた。 亜梨栖の顔はいつも笑っていた。 「コツン」 私はふと下を見た。自分の足元にハート型の何かが落ちていた。それを拾おうとしたけど手が震えてうまく拾えない。手の震えが収まったところで私はようやくそれを拾った。開いてみるとそれは鏡のようだった。ただ装飾が無駄に多い気がした。 「これなんだろ?」 思わず口から言葉が出た。 「おいで」 どこからかそんな声が聞こえた。 「どこにいけばいいの?」 「鏡に手を伸ばして」 また声が聞こえた。さっきよりも大きな声で。私は不思議に思いながら鏡に手を伸ばした。 「うっ」 あたりをまばゆい光が包む。今度は足が震えだした、がそれはすぐに収まった。 目を開ける。白いタイルが一面に敷き詰められ、何かわからないものがたくさんある。そんな不思議な場所に亜梨栖はいた。 「亜梨栖、いらっしゃい。」 目の前にウサギがいた。宙に浮いている。亜梨栖も宙に浮いている気がした。 「僕はキミを探していたんだ。」 「ボクを探してたの?」 「そうキミを探していた。そして今日ようやく見つけられた。突然ですまないけど亜梨栖キミにお願いがあるんだ?」 「な~に?よくないこと以外ならいいよ!」 「大丈夫、今からお願いすることはきっとキミのためになる。」 「亜梨栖、魔法少女になってくれない?」 魔法少女。 「いいよ!なんだか楽しそうだし!!」 「そっか、ありがとう………亜梨栖」 ウサギは少し笑った。 「それで魔法少女って何をするの?どうやってなるの?」 「それは実際にその時が来たら教えるよ。大丈夫、意外と何とかなるし!」 ウサギは今度は大きな笑顔をうかべた。 「そうだ!亜梨栖、キミは魔法少女になったら何をしたい?」 魔法少女になったら何をしたい? もし魔法少女になったら………を救えるのかな。 なら私の答えは…… 「私は魔法少女になったら………を救いたい。」 ウサギはその答えを待っていたかのような微笑みを浮かべた。