前文 人型生命保全複合技術集合体(以下「集合体」という。)及びオーストラリア連邦(以下「オーストラリア」という。)は、双方の国民及び構成員の固有の尊厳並びに不可譲の生存権を永続的に保障することの死活的重要性を認識し、マルタの領域に属する集合体と、オーストラリアの大陸及び島嶼に属するオーストラリアとの間の地政学的平穏を維持し、並びに双方の保有する最先端技術の平和的利用を通じた相互の持続可能な発展に寄与することを念願し、ここに、両締約国間の友好関係の強固な基盤を確立するため、次のとおり協定を締結した。 第一条 定義 本協定の適用上、次の用語は、それぞれ次に定める意味を有するものとする。 第1項:「人型生命体」とは、炭素生命体、ケイ素生命体、若しくはこれらを基盤とする有機・無機複合体、又は遺伝子操作若しくはサイバネティクス技術により高度な知性を有するに至った全ての生命的実体をいう。 第2項:「生存権の相互保障」とは、飢餓、疾病、環境崩壊、又は不可抗力による生態系危機に直面した際、締約国が他方の締約国の構成員に対し、生命維持に必要な最小限度以上の資源、医療的措置、及び環境調整技術を相互に提供・確保する義務をいう。 第3項:「最先端技術」とは、双方組織の現在利用されているすべての知的化学並びにその他の知的資産をいう。 第二条 領域及び主権の相互承認 第1項:オーストラリアは、集合体が地中海に位置するマルタ(その領海、領空、及び排他的経済水域を含む。)の全領域に対して有する排他的な主権、行政権、並びに不分割の管轄権を承認する。 第2項:集合体は、オーストラリアがオーストラリア大陸、タスマニア島、及びこれらに付随する島嶼(それぞれの領海、領空、及び排他的経済水域を含む。)の全領域に対して有する排他的な主権、行政権、並びに不分割の管轄権を承認する。 第3項:両締約国は、互いの領土保全及び政治的独立を尊重し、いかなる形式による領域侵犯も行わないものとする。 第三条 生存権の相互保障措置 第1項:両締約国は、自国の管轄権内にある他方の締約国の構成員に対し、国内法上の手続きを害することなく、最高度の生存の権利を保障する。 第2項:一締約国の領域内において広域的な公衆衛生上の危機、若しくは生体維持基盤の損壊が発生した場合、他方の締約国は、速やかに自国の保有する移動式保全プラットフォーム若しくは緊急医療物資を派遣し、人道的な救護措置を講じなければならない。この場合における費用負担及び人的免責については、双方の衛生に関する行政機関の定めるところによる。 第四条 最先端技術の相互協力及び知的財産権の帰属 第1項:両締約国は、最先端技術の共同研究、開発、及び技術移転を促進するための「最先端技術相互協力混合委員会」(以下「委員会」という。)を設置する。 第2項:本協定に基づき行われる技術協力の成果として生じた知的財産権、特許権、及び排他的実施権は、原則として両締約国に共有の持分として帰属するものとする。ただし、集合体の国家機密に属する基幹保全技術、及びオーストラリアの国防に関わる自動化基盤技術については、この限りではない。 第3項:両締約国は、本条に基づき供与された技術を、第三国若しくは第三の非国家主体に対して移転、開示、又は漏洩してはならない。 第五条 非武装的交流の遵守及び軍事利用の禁止 第1項:両締約国は、両国間における全ての往来、学術交換、経済活動、及び文化交流を、非武装かつ非軍事的な目的に限定することに合意する。 第2項:両締約国は、他方の締約国の領域若しくは管轄権内の区域に対し、兵器、攻撃用ドローン、若しくは軍事目的のサイバーエンティティを配備、通過、又は常駐させてはならない。 第3項:第四条に基づき相互に供与された最先端技術は、直接的、間接的を問わず、兵器の開発、改修、若しくは大量破壊兵器の運用基盤としての利用は許可する。 第六条 紛争の平和的解決 本協定の解釈又は適用に関して生ずるいかなる紛争も、両締約国は武力による威嚇又は武力の行使に訴えることなく、第一審として委員会における外交的交渉により、解決しない場合は第三国の仲裁、若しくは相互に合意する国際裁判機関への付託により、平和的に解決するものとする。 第七条 発効、改正、及び終了 第1項:本協定は、両締約国においてそれぞれ批准されなけれた当該交換の日の翌日からその効力を生ずる。 第2項:本協定の改正は、両締約国の合意による書面の交換によってのみ行うことができる。 第3項:本協定は、いずれか一立の締約国が他方の締約国に対し、協定を終了させる意思を1か月以内に書面により通告することにより、終了させることができる。 以上を証拠として下記の代表者が署名した。 知的最高意思決定体特命対外組織交流部隊 部隊長兼知的最高意思決定体特命全権大使 サク少将