忘れたほうがいい。 そう思うたびに、君のことを考えてしまう。 わかっていた。 あの頃からずっと。 僕は君の一番にはなれないことも、 同じ未来を歩けないことも。 それでも君は、暗闇の中にいた僕へ 一筋の光をくれた。 だから僕は、 その光を追いかけた。 君のいる方へ。 君の見ている景色へ。 だけど今、 その光は遠くなっている。 手を伸ばしても届かない。 どうすることもできない。 だって僕は、 君に幸せになってほしいから。 「一緒に逃げよう」 そんな言葉は、 最後まで言えなかった。 ホームに風が吹く。 遠くで列車の音が響いた。 前へ進むためには、 忘れなければならない。 本当の意味での前進じゃなくてもいい。 君が笑える未来へ向かえるなら。 僕は静かに顔を上げる。 そして片足を前へ出した。 君のいない明日へ。 さよなら。 すべてが変わった。
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