どうも何も、カエデは帰る場所がありません。 地上を目指そうにも、目指す理由が無いのです。 地下だって不自由は無いのですが、 自分を責め後悔すると、奇跡がそれを拒んで カエデを苦しめてきます。 ニンゲンにだけ、頭痛で語り掛け、拒みます。 なぜなら、感情があるから。 勿論ニンゲンは、いくらカエデくらい優しくたって 理不尽な目に合えば悲しくなって、 自分の行動に負い目を感じたり、 あるいは相手の行為に疑問を持ったりします。 そんな負の感情を、奇跡は拒みます。 正しいものだけを世界に維持するためなら、 その大きな力は犠牲も厭わないのです。 私たちが求めた平和や公平は、 最初から間違っていたのでしょうか? __________ エマには帰りたい場所がありますが 戦争のさなか、王都へ戻る訳にもいきません。 出来ないことだとわかっていようと。 この戦争はどうしたら無くなってくれるかを、 彼女はずっとずっと考えています。 王様たちは、権力を以て何をしたいのでしょうか。 何故、お互いの強さを数値化してまで、 上下をはっきりさせるのでしょうか。 早く上を目指すほど、人は隣の畑を頼ります。 いざとなれば、盗みだって働き、 人殺しだって躊躇わないこともあります。 無論、 発展とは一人でするものではありません。 何十年何百年、大きな決意を持った使者が、 意志を受け継いで実現する「希望」なのです。 何が嘘で、何が本当か。 ニンゲンは嘘つきで、偉い人ほど嘘は冷たい。 少なくともエマは幸せでした。 兵器を使い、他人を陥れればもっと幸せになる。 私は別に幸せじゃなくたって。 誰が望んだ結末でしょうか。 その憎しみさえ、エマを蝕む耳鳴りになりました。 それでも旅を経て、気付くことができるはずです。 誰だって世界を救えること。