水菜譚 賭章-前編- ||||||||||||||||||||||||||||| 「ん!ん~!」 「おはようございます。亜嶋さん。」 「ん!おはよ~!」 「抹茶さんもおはようございます。」 「うん。おはよう。ご飯できてるから食べな~。」 「やった~抹茶君の手作り~!」 「亜嶋の分はないよ?」 「何で!?」 「誠君の分はあるからね~。あっ。 名前を決めるまでは誠君って呼ぶからね。 ちょっとだけ、我慢して?」 「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」 |||||||||||||||||||||||||||||| 「で、この子を連れて来たと。」 朝食を食べながら、亜嶋にザックリと事情を説明する。 「うん。」 「うん。じゃないわよ!?色々と問題あるじゃない! 依頼主にはどう説明したわけ!?」 正直、説明しないのも考えたが... 流石にそこまで意地悪くなりたくはない。 「いや、普通に。預かるね~って。」 「えぇ...あなたがそれでいいならいいけど...」 「まあ、それはどうでもいいよ。」 「どうでもよくはないでしょ!?」 いちいち反応してたらキリがないので うるさいのは無視して話を進める。 「誠君、名前は決まった?」 「無視!?」 「いえ、まだ決まっていなくて。 それでなんですが、質問がありまして。」 「無視...」 ちょいちょい口挟んでくる亜嶋がウザイ。 「なあに?」 それはそれとして、名づけのための質問は気になる。 「抹茶さんが一番好きな動物ってなんでしょうか?」 「好きな...動物...。兎、かな?」 兎はもふもふの極致。人間で兎が嫌いな奴はいない。 トイレの処理も楽だし。 「兎...兎...。──名前、思い浮かびました。」 「お、なになに?」 「愛兎、というのはどうでしょうか?」 悪くない名前だ。可愛い。 だが、一番の不安要素の─── 「...苗字は?」 「苗字は変えなくてもいいです。」 「...へ?」 間抜けな声が漏れる。 一度狙われた人間が苗字を変えない、 というのは狙ってくださいと言ってるようなもの。 「あのね、誠くん...。苗字を変えないって言う事は それだけで危険なのよ?これから先も狙われるかも しれないし。抹茶君のきまぐれで生きてるけど、 これから先もそうとは───」 珍しく亜嶋がまともなことを言おうとしたが... 「その心配には及びません。僕も─── 抹茶さんや亜嶋さんのように殺し屋になります。」 「........................................はい?」 「...ぷっ!あははっ!いいわね!それ!」 亜嶋の話を遮り、三鷹誠は...否。 三鷹愛兎は冷静に爆弾発言をしたのだった。 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 「いや~...そのさぁ...」 「何ですか?」 「殺人鬼になるのはいいとして... 苗字を変えないのはオススメできないかなぁ。 僕だって今の名前は偽名だし... いや、まあ、狙われてたわけじゃないけど...。」 あの爆弾発言のすぐ後、誠君...愛兎にそう告げる。 「まあいいじゃない。愛ちゃんがそう言ったんだから 自分の身くらい自分で守るわよ。」 「愛ちゃんって呼ぶのやめてくれませんか?」 「無駄だと思うよ。亜嶋は人の言う事聞かないし。」 「25にもなって自粛もできないんですか。 可哀想ですね。」 愛兎のナイフの刃渡りエグいな。 「言葉のナイフの威力が高い...」 「──じゃあ、今日で仕上げてね?」 これも十分な爆弾発言だが、理由がある。 明日、行かなければならない場所... いや。やらなければならない依頼がある。 「はぁ!?抹茶くん正気!?」 「分かりました。抹茶さんがそう言うなら。」 「あ、駄目だ。全員おかしい。」 「自分がおかしい自覚あったんですね。」 「もう喋るのやめようかしら...。」 「そうした方がいんじゃない?」 「酷くない!?」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 地下の武器庫につく。 「まあ、まずは好きな得物取りな~。」 ここは修練場としての役割もある、 お気に入りの場所だ。勿論、未認可。 法的には見つかったらマズイとかの レベルじゃないほどマズイ。 色んな場所から取り寄せた得物を ここに保管している。 銃火器、鈍器、刃物、投擲武器、etc... 「いえ、まずは手合わせをしたいです。」 「ほぉ~?いいね。亜嶋~。仕事。」 いきなりではあるが面白い。 現実を見せてあげよう。 「私がやるの!?なんで!?」 「僕がやったら肉塊になっちゃうから。 愛兎の可愛さが台無しになっちゃう。」 「それが冗談じゃないのが怖いのよね...。 しょうがないわね。いつでも来なさい。」 「...分かりました。武器は無しでいいですか?」 「好きにしていいよ。頑張れ愛兎~。」 その言葉を皮切りに、亜嶋と愛兎が動いた。 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 「好きにしていいよ。頑張れ愛兎~。」 その言葉で奮起する。 あの人から応援されるだけで心地がいい。 これが恋というものなのか。 眼前に拳が近づく。 子供相手にいきなり殴りかかるとは。 やっぱり亜嶋さんは好きにはなれない。 自分から言い出したことではあるが。 一番腹が立つのはただ殴りかかってきている わけじゃなく、逆手での攻撃を狙っているのが ムカつく。本気で勝ちに来ている。 拳を固めている右腕を掴み、 こちらの胴を狙っている左手を蹴り砕きにかかる。 「うそぉ~!?」 「嘘じゃないです。」 結果は成功。 そのまま踵落としで首を狙──── 「駄目でしょ?足を上げたら。」 掴まれた右腕を無理やり外され、 逆に右腕を掴み返された。 いつの間にか持ち直していた左腕が 上げた左足の即根関節を手刀で打たれる。 「っ...!!」 折れてはいない。だが、痛い。 だとしても我慢する他ない。 そのまま左足を叩きつける。 狙いは外れ、左肩にぶつかる。 だが────── 「なっ.......!?」 硬い。足を岩にぶつけたような痛みが走る。 そのまま振り下ろした足を左手に掴まれ... 「あちゃ~。まあ、期待以上ではあった──」 抹茶さんの声が聞こえる。期待以上。 そこで終わりたくない。もっと上にいきたい。 「ちょっ!?」 地についている右足で跳躍し、 全身が浮いた。そのまま右足で首を狙う。 だが、力ずくで投げ払われかける。 「このっ...!!」 これを待っていた。 投げられた瞬間、相手の右肩を左手で掴み、 投げの威力に相手を道連れにした。 互いに地面へ引き込まれる。 「なっ...んっ!?」 自由になった右手で相手の首を絞める。 それと同時に左足を鳩尾に食い込ませ、 左肘で相手の右腕を抑え込む。 「ぐぅ...く...ぁ...」 そのまま最期まで持ち込──── 「っぁ...!?」 何が起きたのかすら分からないまま、 意識は暗闇に沈んだ。 続く。 matya_machaの一言 ドウモ!!マッチャデス!! 今気づいたんだけど、幕間は恋する兎って タイトルだったのにタイトル回収してなかったね。 ゴメソ。まあしゃーなし。 ちなみに今回の修行の描写、 めっちゃ時間かかりました。 現実でできる範囲かの確認のために、 友達と友達の兄の力を借りました。 なので現実でできる範囲の格闘です。 描写下手なせいで分かりづらいけど。 ここまで見た人は「共有時刻怖い。」 ってコメントしてね。 てかここまで見てる人いないか。 まあ、この小説おもんないもんな。 コメント、☆,♡、拡散、宣伝等励みになります! 是非してください...。
幕間:恋する兎-後編- https://scratch.mit.edu/projects/1335578026/ 兎章:裏-序- https://scratch.mit.edu/projects/1289956841 兎章-序- https://scratch.mit.edu/projects/1283712450/ 幕間:師弟と女-序- https://scratch.mit.edu/projects/1279166950/ 己章-序-(一話的な) https://scratch.mit.edu/projects/1277548111/ 小話 今回亜嶋ちゃんボコボコだったけど、 亜嶋ちゃんが弱いわけではなくて、愛兎君が強いのと 亜嶋ちゃんの得意分野が素手での戦闘じゃないのとで 結構痛ぶられました。おっちょこちょいは関係ない。 小話2 昨日共有したと思い込んでました。てへっ。」