『ちゅうしま学園』 鳥キャスト名簿 【生徒】ちゅうちゃん(コザクラインコ/モーブ色):文武両道、学園のカリスマ。時々クレイジー。シマエナガ(白):ちゅうちゃん命! パソコン部所属の天才裏ハッカー。キイロ(オカメインコ):軽音部の絶対的センター。男気あふれるアイドル。空(セキセイインコ/スカイブルー):学年首席のクールな委員長。抹茶(セキセイインコ/グリーン):空手部主将。誰も敵わない怪力姉御肌。粉雪(こなゆき/めす):白くて儚げな美少女転校生。シマエナガのライバル。【先生】はちどり先生(おす) ?英語(または理科)担当。超高速の羽ばたき(ホバリング)で教室内を常に飛び回り、1秒間に100単語くらい喋る超せっかちなハイテンション教師。カラス職人(おす):技術・美術担当。怪しい発明品で生徒を実験台にする。鳩(はと)さま(おす):国語担当。優雅で気品溢れるが、話がめちゃくちゃ長い。シマ匠(たくみ)(おす):体育担当。シマエナガ族の熱血スパルタ教師。ももたん(めす):保健医。桃色の羽が可愛い、みんなの癒やし系マドンナ。うずらさん(めす):担任教師。いつもトラブルに巻き込まれて真珠の涙を流す苦労人。【理事長】おうむじいさん:創立者。校内放送で人のセリフをオウム返しして周囲を混乱させる。
桜の花びらが舞い散る春。ここ『ちゅうしま学園』は、一歩足を踏み入れれば誰もが耳を疑うカオスな学び舎である。「キエエエエ〜ッ! そこ! 遅刻だ! 罰として私の最新発明『全自動・超高速宿題提出マシン』の実験台になってもらうぞ!」校門の前で怪しいメカをいじりながら叫ぶのは、技術担当のカラス職人先生。「ホロホロ……。皆さん、春は出会いの季節。人生とは、いわば終わりのない旅のようなものでして、私が若かりし頃——」その横で、全く関係のない優雅で長すぎる話を始め、校門を大渋滞させているのは国語担当の鳩さま先生だ。「コラーッ! 門の前で立ち止まるな! 翼をシャキッと伸ばしてダッシュせんかい!」小さな体でホイッスルをピキィィィン!と吹き鳴らし、スパルタ指導をしているのは体育担当のシマ匠先生である。そこへ、ブンブンブンブンッ!!!と、まるで巨大な蜂のような凄まじい羽音が響き渡った。「オーウ! ミナサン、グッドモーニング! 遅刻遅刻ゥ! タイム・イズ・マネー! 1秒間に羽を80回振る私を見習って、もっとハイスピードで動きなさーい! レッツ・ランニング! ユー・ノウ!?」残像が見えるほどの超高速ホバリングで空間を縦横無尽に飛び回り、弾丸のように言葉を浴びせてくるのは、英語担当のはちどり先生だ。せっかちすぎるはちどり先生の風圧で、鳩さま先生の書類がすべて宙に舞い上がる。そんな大騒ぎの校門を、一台の木製スケートボードが時速100キロで駆け抜けた。「あはは! 最高の乗り心地だね、シマちゃん!」モーブ色の美しい羽をなびかせ、爽やかに笑うのは学園のカリスマ・ちゅうちゃん。その頭の上には、丸くて真っ白なシマエナガが必死にしがみついている。「シマシマァ〜!(ちゅうちゃん、スピード出しすぎぃ〜!)」二人が華麗にスライディング登校を決めると、クラスメイトたちが集まってきた。「おはよー、ちゅうちゃん! 今日もキレッキレだね!」まばゆいウインクを飛ばすのは、軽音部の絶対的センター・キイロ。登校しただけで女子生徒から黄色い声援が飛ぶアイドルだ。「ちゅうちゃん、また校則違反のスケボー乗って……。はい、これで今月15回目のイエローカードね」スカイブルーの羽をピシッと整え、クールにノートに記録するのは委員長の空。「まぁまぁ、堅いこと言いっこなしだよ空。それよりカラス職人のあのマシン、アタシの拳でぶっ壊してきていいかい?」道着姿で拳をボキボキ鳴らすのは、空手部主将の抹茶。相変わらずワイルドな姉御肌だ。平和(?)な朝の風景。しかし、担任のうずら先生がトボトボと教室に入ってきたことで、空気は一変した。うずら先生の目は、すでに心労で大粒の真珠のような涙がたまりかけている。「みんな……席について……。今日は、とっても可愛い転校生を紹介します……」教室の扉がガラリと開いた。入ってきたのは、まるで生まれたての初雪のように真っ白で、儚げな美しさを持つメスの小鳥、粉雪ちゃんだった。「粉雪です……。皆さん、よろしくお願いします」はにかむ粉雪ちゃんの可愛さに、教室中の男子が一瞬でハートを射抜かれる。しかし、粉雪ちゃんはまっすぐにちゅうちゃんの前へと歩み寄ると、ポッと頬を染めて微笑んだ。「あの……ちゅうちゃん先輩。ずっと、お会いしたかったんです……!」「えっ? 僕に?」きょとんとするちゅうちゃん。その瞬間、ちゅうちゃんの頭の上で、静かに「ピキッ」と何かが切れる音がした。シマエナガである。(な、ななな……何よあの白い泥棒猫(鳥)はー!! 白さなら私だって負けてないんだからー!!)嫉t……もとい、純愛の炎でメラメラと燃え上がったシマエナガは、目にも留まらぬ速さで自前の小型タブレットを取り出した。「シマシマシマシマ!!!(裏のネットワークから、あの女の弱点をハッキングしてやるわ!!!)」小さな翼が火花を散らすほどの超高速タイピング。シマエナガは一瞬で学園のメインサーバーをクラッキングし、粉雪のデータを書き換えようとした。しかし、シマエナガの怒りのエネルギーが強すぎた。ハッキングの負荷により、学園中の電子機器がショート! バチバチと火花を散らし、校内放送のスピーカーから、とんでもない大爆音のヘヴィメタルが鳴り響いた。『——警告! 警告! サーバーがクレイジーな負荷を検知しました!——』「ひええええ! 学校が爆発するぅぅぅ!」うずら先生がこれまでに見たこともないような、殺人鬼一歩手前の凄みのある恐怖の表情で頭を抱える。そこへ、ブゥゥゥゥン!と壁を突き破るような勢いではちどり先生が飛び込んできた。「オーマイゴッド! サーバーがデンジャラス! 爆発まであと10秒! テン! ナイン! エイト! 早く逃げなさーい! 私は花の蜜を吸いに行ってきまーす!」カウントダウンだけして、超高速で教室から離脱するはちどり先生。「計算外だわ! 30秒後に校舎の全ブレーカーが落ちて、私たちは暗闇に閉じ込められる!」空が冷静に叫ぶ。『ハァー、あーあー。サーバーがクレイジーな負荷を検知しましたじゃ。……って、これワシのセリフそのままオウム返ししとるだけじゃな。フォッフォッフォ』さらに学園の最高権力者、おうむじいさん理事長が放送室を乗っ取って、状況をさらに混乱させていた。「アタシに任せな! サーバーの本体ごと、正拳突きで物理的にシャットダウンしてやる!」抹茶が拳を構えて駆け出そうとしたその時、ちゅうちゃんが動いた。「みんな、落ち着いて。僕のクレイジーな本気を見せる時が来たようだね」ちゅうちゃんは飛び上がると、持ち前の強靭なクチバシで、教室の壁にある「非常用主電源レバー」をガキィィン!と一撃で噛み砕いて引き下ろした。ガシャン……!静寂が戻る教室。鳴り響いていた爆音メタルが止まり、シマエナガのタブレットも煙を吹いて完全に停止した。「ふぅ。みんな、怪我はないかい?」ちゅうちゃんはモーブ色の羽を整え、何事もなかったかのように優しく微笑んだ。「シマシマァ〜……(ちゅうちゃん、やっぱりカッコいい……でもハッキング失敗しちゃった……)」シマエナガがちゅうちゃんの頭の上でくたくたになってへたり込む。「あら、大変。みんな大丈夫?」そこへ、お騒がせな爆音を聞きつけた保健医のももたん先生が、桃色の羽を優雅に揺らしながら、お詫びのひまわりの種を持ってやってきた。そのおっとりした癒やしのオーラに、クラスの男子たちは一瞬で骨抜きにされるのだった。こうして、ちゅうしま学園の記念すべき新学期が幕を開けた。はちどり先生のせっかち授業に、生徒たちはついていけるのか? そして粉雪ちゃんの登場で、シマエナガの恋のライバルバトルはどうなるのか?ちゅうしま学園の日常は、平和だけど、今日も明日も絶対に退屈しない。(『ちゅうしま学園』第一話・完)