──大雨が降っていた。 「────」 灰色の空と校舎、誰もいない放課後、雨音は響くのに人の声はなく、死にたくなるほど灰色の雰囲気が漂う学校。 ───それだけに、1人で地面にへたり込む少女の存在は異彩だった。 灰色の中で唯一色を持った存在──少なくとも少女にはそう感じられた。それなのに、少女は何をするでもなくへたり込んでいる。さらに少女には、その色彩さえもくすんだ色に思えて。 加えてその少女の服には、幾つもの無惨な靴跡や痣、泥汚れがあった。まるで、何度も踏まれたり蹴られたりした後のように。 そしてその汚れは、けっして大雨で洗い流されることはない。むしろ滲んで、広がっていく。 頭の中に、奴らの笑い声が、靴の感触が、痛みが、怯える声が疎む声が、反響する。悲しい。悔しい。 でも、悲しがる資格なんて、悔しがる権利なんてない。これは自分のせいだ。 少女には自分の奥底、魂にもその汚れがあるように感じられる。存在の根底にこびりついた、いつからついたかわからない汚れ。 そしてその汚れもまた、雨で───、 「…え?」 不意に、その雨が止む──違う、遮られる。 幽霊でも見たような顔でゆっくり顔を上げると、広げた傘を差し出してこちらを覗き込む少女がいた。見覚えがある。たしか、家が同じ方向だったはず。 「──っ、ひ」 瞬間、何をされるのかと身を硬くする。──それは、傷つけられることが常態化した人間の防衛本能だった。 どこからどう自分を知っているかわからない相手に、いったいどういうふうに傷つけられるのだろうと。 しかし、傘の少女には全く不要な本能で。 「大丈夫?傘もささずに、こんな濡れて…」 ──それは、もうずいぶん触れていなかった、暖かな感情だった。 「それに、この靴跡は…」 「あ…、えっ」 心配してくれているのに、声が出ない自分が情けない。 心配、そう心配だ。彼女は心配してくれているのだ。 いつぶりだろうか。自分の知る人は皆、自分のことを心配などしてくれない。 誰も彼も、クラスメイトも友達も、家族さえも、自分の性質を知ったら離れていく。 そしてそれは、きっとこの傘の少女も──。 「あなた確か…家、同じ方向だったよね。…よかったら、一緒に帰る?」 「…あ…ぁあ」 知らないのだ。彼女は、自分について何も。 知ったら、離れていく。それなら、最初から知らないほうがずっといい。 「…いや…いい。1人で、帰っていいよ」 「────」 ああ、嫌だ。自分が嫌だ。 心配されないなんて言っているくせに、心配されたらその手を拒んで。あとでものすごく後悔するし、きっと後悔させる。 それに、嫌だとか、後悔するとかさせるとか、いったいどの口で言うのだろう。自分が嫌な思いをするのは、自分が嫌な思いをさせているからなのに。 いっそ、死んでしまおうか。 「──泣いてるの?」 「………え?」 言われて、初めて気がついた。 泣いていた。頬が濡れるのは、雨だけじゃなかった。 そして傘の少女は、柔らかくこちらの頬を拭ってくれた。優しくて温かいその手を、拒めなかった。淡い、馬鹿馬鹿しい、信じる価値もない期待があったから。 もしかしたら、傘の少女は、自分を拒まずにいてくれるのかと──。 「強がらないで、一緒に帰ろうよ。風邪ひいちゃうよ。───大丈夫、実は私も1人は寂しかったんだ」 ──その日から、少女の日々は色づき始めた。
【旗連打】必ずね!!バグるから!! 何回でも押してね! 提出作品の一部…まあ、出だしです。ぬるぬる動かすプログラムを理解してない分低クオだね。 コメント欲しいなぁ…((( 遠慮なくハートも星も押してくれていいんだよ… かみんぐすーん。2週間後くらいに出せればいいねって思ってます。遅れるね多分(soonとは)。というのも、pvまだ1番のサビに辿り着いてすらないんだ。 遅れるけどお楽しみに! 作品提出と同時に活休だかんね! 活休とか復帰とかに関する話色々変わるかもだけど…変わるたびお知らせ出すつもりだし活休は確実にするからね 龍虎杯自然消滅とかいう話も出てるっぽいけどそれでも俺は出すぞ!! というか自然消滅自体なんか嫌だ!反対だよ! 最後までやろう!力になれることがあるなら協力するから!メド! 曲:だれかの心臓になれたなら/天神子兎音 様 音源:@Yrrrrrrrrrrrrrrrow様