そういえば忘れてました。 「ニャハハハハ! まず案内役の俺様が連れていくのは、この街の一番のオシャレスポット……『デゥール中央広場』だ!」 重厚な防壁ゲートが開いた瞬間、目の前に広がったのは、目も眩むような超ハイテク都市の心臓部だった。広場の中央には巨大なネオンの噴水が立ち上り、周囲の超高層ビルからは色鮮やかなホログラム広告が滝のように降り注いでいる。しかし、その華やかさ(Light)とは裏腹に、広場を埋め尽くす住民たちの足元には、電子廃棄物の影(Shadow)が不気味に伸びていた。 「さあニンゲン、ここがお前の最初のステージだ!」 パピルスがマフラーをなびかせてポーズを決めた、まさにその時。広場の中央、ひと際まばゆいスポットライトが浴びせられている特設ステージの上が、俄かに騒がしくなった。 「――素晴らしい! アメイジング! これこそ私が求めていた、真の新星(ニュースター)だ!!」 大音響のファンファーレとともに、長方形のメタリックなボディに一輪の車輪、そして液晶画面に無数のランプを明滅させた、この未来都市の絶対的トップスター――メタトンが、カメラドローンを引き連れて滑り出してきたのだ! 「排除? 警告? ナンセンス! このデゥールの街は、エンターテインメントの街! そして私は、輝くスターを歓迎する主義なのだよ! ……そう、この私がデゥール全域の自動防衛システムを管理する最高AIであり、同時にこの街の絶対的トップスター、メタトンさ! あの『水底の支配者』をハントした君の勇姿、バッチリ中継させてもらっていたよ!」 「お、おいメタトン! いきなり生放送(ライブ)のスイッチを入れないでって、言った、でしょ……!」 メタトンの背後に設置された、配線むき出しの巨大なコントロールデスクから、恐る恐る顔を出したのは、白衣を着た黄色い爬虫類のような科学者――アルフィーだった。彼女は眼鏡を指で押し上げながら、手元のタブレットと探検家を交互に見つめ、オドオドと頭を下げた。 「ご、ごめんなさい、ニンゲンさん……! 私、アルフィー。この街の、その……しがない下層のジャンク科学者です……。メタトンの防衛システムの管理の手伝い(というか雑用)をやってるんだけど……。さ、サンズから連絡は受けていたの。あなたが『水底の支配者の結晶』を持ってるって……!」 アルフィーは、探検家が差し出した青黒い結晶を凝視すると、ジャンクパーツで作ったスキャナーをかざした。その瞬間、眼鏡の奥の瞳が技術者としての狂気でギラリと輝く。 「す、すごい……! この結晶の魔力、上層(アッパー)の大企業が独占してるエネルギーより何百倍も純度が高いわ! これだけのエネルギーがあれば、私だって……アッパーの偉そうなエリート科学者たちに、下層(シャドウ)の意地を見せてあげるんだから……!」 アルフィーは作業用ゴーグルをクイと上げ、火花を散らしながらその場で工具を動かし始めた。 『水底の支配者の結晶』の魔力が、探検家の【漆黒の長槍】へと限界まで注入され、その刃の輪郭にバチバチと激しい青紫色の超高周波のプラズマが纏われていく。 「で、できたわ……! 【漆黒の長槍・電脳(サイバー)カスタム】……! 結晶の魔力で、槍の威力をデジタル増幅(ブースト)できるようにしたの。あなたのソウルが昂れば、高周波の刃がどんな強固なサイバー装甲もバターみたいに切り裂くはずよ……!」 アルフィーが息を切らせながら、新しく生まれ変わった槍を探検家へと手渡す。その刹那、中央広場の巨大モニターのホログラムが一斉に切り替わり、探検家を強烈なスポットライトが照らし出した。メタトンが大袈裟に両手を広げる。 「素晴らしい! これぞ新時代のハント・ギアだ! 防衛システムには『ハント・ショーの特別ゲスト』として君のソウルデータを登録しておいたよ。これでアッパーのハンターどもも、大手を振って君を襲うことはできない……建前上は、ね!」 メタトンのアナウンスと同時に、広場のゲートの向こうから、赤いセンサーを光らせた欲深いサイバーハンターたちが一斉に姿を現した。 「フハハハハ! 最高の機材(ぶき)も揃ったな、ニンゲン!」案内役のパピルスがマフラーを誇らしげに翻し、探検家の隣に並び立つ。「俺様が最高のルートを指示してやる! アルフィーが鍛え上げたその新しい槍の力、俺様と街の連中に見せてやるのだ!」 探検家はルゥの包帯が巻かれた手で、生まれ変わった【漆黒の長槍・電脳カスタム】を強く握りしめた。胸の【赤黒いソウル】が激しく脈打つと同時に、長槍の刃に青紫色の超高周波プラズマが爆発するように吹き荒れる。 そのプラズマの光が、広場のネオンと複雑に絡み合った、その時――。周囲の巨大ビル群やハンターたちの機械の身体に刻まれた、奇妙な「手」や「記号」のような未知の言語コードが、青紫の光に呼応して怪しく明滅した。 それこそが、今もなお世界のどこかで生きてこのデゥールの街を創り上げ、全ての機械を裏から動かしている伝説の存在、ガスターの用いる『ウィングディングス(WD文字)』の光だった。街の心臓部たるこの広場で、ガスターの設計したシステムが、探検家の【赤黒いソウル】の爆発力に静かに共鳴を始めたのだ。 レインタウンの温もりを胸に、そして未知の電脳言語が不気味に脈動する中、探検家はパピルスと共に、まばゆいネオンの中へと飛び出した――。 普通に疲れたぁ〜 このAUよりできればR!ETOを見てもらいたい↓ https://scratch.mit.edu/projects/1380956724/