「あのね。わたし、記憶喪失なんだよ。 名前もね、年齢もね、自分がどこから来たのかも、ぜーんぶ分かんないの。 この『白夜コト』って名前だって、二人がつけてくれたものだし、……たぶん、気づいてたと思うけど。 まぁ、ほんとに、なーんにも覚えてないんだ。 ……あっ、でもね。 ひとつだけ、覚えてることがあるよ。 それはね、わたしの能力が『忘却者』と『厄介者』だってこと。 『忘却者』はね、死んじゃった人の遺体に触れると、その人の能力を受け継げる能力なの。 ただし、死んでから一ヶ月以内じゃないとダメなんだって。 ……でもね。 こんなの、普通に暮らしてたら絶対使わないよね? だって、人の遺体なんて、そうそう見つからないもん。 そんなのに出会うほうが珍しいでしょ? だからね、そこで活躍?するのが――『厄介者』。 名前のとおり、すっごく厄介な能力なんだよ? わたしのまわりで、次から次へとアンラッキーなことが起こるの。 車に轢かれそうになったり、化け物に襲われたり……。 それから、遺体に遭遇したり。 ……ふふ。 こうして並べてみると、ほんとにロクなこと起きてないね。 しかも、そのせいでわたし自身が死にかけることも、ぜーんぜん珍しくないの。 …えへへ。 そのたびに、二人が助けてくれて、そこはとってもありがたいけど。 そうそう。 二人とも、いつも言うよね? 『もうこんな危険なことはするな』って。 でもね……ダメなの。 だって、たしかに二人に比べたら、わたしなんてただの人間だもん。 比べることすら、おこがましいくらい。 だけどね。 その危険なことを起こした原因は、わたしなんだよ? だったら、原因を作ったわたしだけが、ぬくぬく安全なところにいるのは……なんか、おかしいじゃん。 だから、二人がどれだけ止めても、わたしはやめないよ。 ……まぁ、二人が一緒にいてくれれば、百人力……どころか、百人力以上だし。 もしかしたら、不幸を生み出すだけのわたしなんていなくてもいいのかもね。 ……。 今のは、否定するところだよ? 『そんなことない』って言ってくれなきゃ、やだからね? …ふふ、ありがと。」
造花のブーケ/謎J様 音源/ @yama-anata シンプルイズベスト。ロリって可愛いね。 自信作ではあります。 参考 https://scratch.mit.edu/projects/1331257435/