消えてしまうその前に君とまた恋をしたい 俺が昔に巻き戻って斎藤さんに告られたあの時から数日が経過した。 一日に一回は話すし、RINEも交換した。 いつも話すときは笑顔だけど、ずっと星野さんを見てきた俺にはわかる。 あの笑顔は必死につらさを隠すための作り笑顔だと。 この頃には多分もう星野さんは酷い虐めにあっていたはずだ。 だって、星野さんが死んだのはそれが原因なのだから。 しかもいじめっ子は悪質で他の人には絶対にバレないように巧妙な手を使っていた。 俺が調べようとしても出来なかったのはそれが原因だ。 いじめっ子が誰かは分かっている。 だがそれを立件するのに十分な証拠が足りないしもし俺がそれを言ったとしてもなにか星野さんが言ったと思われて星野さんに危険が及ぶ可能性がある。 だから、容易には言えない。 でも、そうしている間にも星野さんの、俺の大切な人の心は蝕まれていく。 どうすれば良いんだろう。 俺は果たして二回目で助けることが出来るのだろうか。 そう思っている時に彼女の声が耳にダイレクトに響く。 「お、お願いします......。もう.....やめて.......ください....」 「なんであなたが私にお願いできると思っているの?元はと言えばあなたがあの人に告白して受け入れられたから悪いんじゃない。私はあの人が好きだってあなたも知っていたはずでしょう?」 何だって? これじゃまるで俺が.......。 「......ごめんなさい......。ごめんなさい.......ごめんなさい.....」 何回も彼女はいじめっ子主犯、城ヶ崎 伊織にあやまる。 ごめんなさいと謝る彼女の目は恐怖に染まっていて、俺が改めて星野さんを苦しめてしまっていたのだと理解する。 俺はあんなに助けてもらったのに、俺は......。 俺は.....。 俺は音を立てて気づかれないようにその場を離れて、人目が極端に少ないところに一人で座る。 俺の心がどんどん壊れていくのがわかる。 辛くて苦しくて痛くて......。 俺なんかのせいで優しいきれいな心を持つ彼女が害されて、それで死のうと思うくらいの苦しみを味わって本当に死んでしまう。 その原因の俺は特に何かを受けるわけでもなく、むしろ星野さんに救われて......。 それなのに、何も出来ずに俺はのうのうと生きるのか。 俺がいたから悪いんだ。 俺がいなければ星野さんは.....。 星野さんは嫌な思いをしないで済んだのかもしれない。 彼女は優しくて可愛くて運動はできないけど、勉強もちゃんとできて、コミュ力もちゃんとあって。 俺なんかよりずっと生きてて価値がある人だ。 きっといじめられさえしなければ人生バラ色だっただろう。 そんな人の人生を怪我しておいて何が助けるだ。 俺が原因なのに、俺が全て悪いのに。 そうネガティブ思考に完全に入ってたときだ。 星野さんがここに来たのである。 ここは穴場と言っていいほど人通りが少ない。 知っている人は俺くらいしかいないと思っていたのだが....。 「蓮くん.....。ここで何してるの?」 「ちょっと考え事。ここって静かだから考え事捗るからさ」 「そうだね。私も同じかも」 そう言って作り笑いを浮かべた後、少し低い声で俺に向かっていった。 「ねえ、蓮くん。蓮くんはさ、私のこと好き?」 「うん。好き」 俺は無意識にその問いに答えていた。 驚くほど自然に言葉が出てきたのだ。 そう言えば前、星野さんがいなくなる日の前日、同じ事を聞かれたような気がする。 「私がいなくなったら嫌?」 「嫌だよ!絶対に嫌。もう君がいなくなるなんて二度と見たくないから」 俺は本音を偽りもせずに真っ直ぐに言った。 考えてはない。 直感的にでてしまったのだ。 そして俺は理解する。 やっぱり俺は星野さんのことがどうしようもなく好きなのだと。 「そう。良かった」 そう言って少しだけ彼女は微笑んだ。 この笑顔はいつもの作り笑顔とは違って彼女の本当の笑顔のようなそんな気がした。 「私も蓮くんのこと、好きだよ。大好き。君がいなくなるのが凄く怖い」 少しだけ寂しそうにでも嬉しそうに彼女は言った。 そしてようやく、彼女に涙の線がまだ残っていることに気づく。 「何に泣いてたの?」 「えっ?あぁ......。私が何を言っても引かないでくれる?」 「勿論」 俺は即答すると、すっごく嬉しそうに笑って、少しだけ辛そうな表情をして語り始める。 昔の俺も知らなかった衝撃の真実を.....。
第二話です!!