【我、この地を守りし武士なり】 「はあぁ、めんどくせぇなぁ」 「ったく、師匠も人使いが荒いぜ。久しぶりに顔出せば 『ちょうどいいとこに来た! 新しく見つかった遺跡の調査をしてこい!』 なんてよ〜」 「そもそも冒険者の俺に遺跡の調査なんて向いてねぇん だよ。本来考古学者の仕事だろぉ。 考古学者が足りないから俺が来てんだろうけどさぁ 」 「なぁ。こっそりつけてきてるあんた。」 「…。いつから気づいていた。」 (木の影から長い耳をした女性が出てくる。) 「あ?変わった耳してんなぁお前。」 「こちらの質問に答えろ。いつから気づいていた。」 「最初からだよ。お前まだ新人か? 森ではな気配を消しすぎると逆に目立つんだぜ」 「俺が…新人…?」 (どことなく震えている) 「お?キレたか?この程度で感情を乱しちゃダメだぞ」 「ふん!まあいい。忠告してやろう この先は近づかぬ方が身のためだぞ」 「…どういうことだ」 「この先は危険だ。」 「残念ながら師匠の命令でな。戻れねぇんだわ」 「そうか。なら好きにするといい。死んでも知らんぞ」 (森の中に消えていった) 「なんだったんだあいつ」 「まあいいか。さーてちゃっちゃと終わらせますか ね〜」 『我、この地を守りし武士なり』 (近くの甲冑が動き出す) 「!?」 『この地を侵す者何人たりとも赦しはせぬ』 (持っていた刃が長く反った剣を振り上げる) 「誰だ。お前?」 (剣を構える) 『この地を侵す者何人たりとも赦しはせぬ』 「話は通じない感じか…」 『よって断罪致す』 (刃を振り下ろす) 「おわっ!?」 (剣で受けるが、後方に吹き飛ばされる。) 「これはちょっとヤバいかもしれねえな」 「こういう時は逃げるに限る」 (とても素早く逃げ始める) 「…?追ってこねえな」 『この地を侵す者何人たりとも赦しはせぬ』 (急に前方に現れる) 『よって断罪致す』 (刃を振り下ろす) 「ははっちょっとマズいかも…」 (辺りに轟音が響く) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「で、貴重な爆裂玉を10個も使って逃げてきたと」 「そんなこと言ったって出し惜しみしてたら死んでた ぜ師匠」 「ま、確かに話を聞く限り、お前にはちっと荷が重いか もな」 「よし。俺ぁちょっくらその遺跡を見にいってくるぜ」 「は⁉︎師匠が行くのか⁉︎」 「おう、ちょっとそいつに興味が湧いてきた。」 (そういうとドアを開けて出ていく) 「はぁ。もう行っちゃったし」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 〈師匠視点〉ー遺跡ー 「さて、目的のやつはどこにいるかな〜っと」 『我、この地を守りし武士なり』 「お、早速おでましか」 『この地を侵す者何人たりとも赦しはせぬ』 『よって断罪致す』 「よっと!」 (身軽に回避する) 『この地を侵す者何人たりとも赦しはせぬ』 「避けてても埒が明かないな…」 『よって断罪致す!』 「龍撃斬‼︎」 [二つの刃がぶつかり合い、辺りに轟音と衝撃が響く。 その刹那僅かに甲冑の刃が揺らぎ、 師匠の斬撃が甲冑に届く。] 『すまぬ皆…我は誓いを守れなんだ…』 (甲冑が崩れて塵となり風に乗って飛んでいく) 「はぁはぁ…久しぶりに派手に動いた…」 「ん?なんだこれ…」 (落ちている本を拾う) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー これは古い古い昔の話。 かつてこの地にはこの地で作られた他とは異なる 武器を持つ武士と呼ばれる者がいた。 その者は強くしかし誠実であった。 そしてこの地に住む人々は平和に暮らしていた。 この武士と住民との仲も良好であった。 しかしある日悲劇が訪れる。 特殊な耳を持つ者たちに襲撃を受けたのである。 彼らは里に火を放ち、多くの者を殺した。 武士の奮闘も虚しく他に生き残った者はいなかった。 「皆何処へ行ってしまったのだ…」 「皆死んでしまったのか…?」 「我は守ることができなかったのか…?」 「ならばせめてこの身を犠牲にしても この地を守る事を誓おう…」 彼は彼の一族に伝わる禁忌の術に手を出し、 己の身を生きる屍へ変え未来永劫守る事を誓ったのだ。 『我、この地を守りし武士なり』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (読み終えると本は崩れ去った。) 「なるほどなぁ…随分と粋じゃねぇか…」 (その後、街でとある噂が流れ、 御伽話として語り継がれたのは、また別の話)
タイトル:【我、この地を守りし戦士なり】 著者:ケイ 本文:上 本の性格:無口・無愛想・(ちょっとツンデレ) セリフ例:「私を読むのか?」「最後まで読んだのか……どうだった…?」 こっそり画像に本を紛れこませてるよ