本文 ※「刀剣暦」が「刀剣歴」になっていると思いますが気にしないでください。誤字じゃなかったらもっと気にしないでください。また文明リセットはしていますが僕の都合で機械類を登場させることがあります。キャラが違和感を感じていなければ特に深い意味などはないです。 またエピソードタイトルは元1話と元2話を合わせたためこうなっています。 いつまで経っても整備されない荒れた地面を歩く男が一人。 彼の名は伊藤光一郎、今年で大学の1年生になる。 剣術値は「1」。 この世界では奴隷以下の扱いを受ける。 刀剣歴348年4月6日7時52分|日本国(新支配体制下)東京都新宿区|伊藤光一郎 大学はどのようなところなのだろうか。 高校までは「1」のために用意された学校だったので、教員も環境もカリキュラムも最低そのもの。 生徒は繊細なやつが少なくなかったが、それ故に自殺する生徒も年に10人はいた。 大学だけは「1」から「15」までの全ての人間が在籍する。 カリキュラムや教員の質はマシになるのだろうか? それとも、僕の剣術値を知った人にいじめられるだけなのだろうか? 怖い。 大学が怖い。 他人と関わって傷付くことが……。 「僕が『伊藤光一郎』じゃなかったらどれだけ良くなっていたのかな」 さらに繊細な「1」になってとうに自殺していたかもしれないし、あるいは高い剣術値からスタートして悪くない道を歩むことができたかもしれない。 「行きたくない……」 ため息が先ほどより深くなっているのはもう校門が見えてきたからだ。 校門の目の前で立ち止まっていると、ふいに後ろから殺気を感じた。 振り返ると、黒髪の男がこちらをにらんでいる。 苛立った声。 「言わないとわかんねぇのか? どけよ」 体が反射的に動いて彼の通り道を作る。 男が通り過ぎると、さらに深くため息を吐いて校門をくぐった。 入学式が終わり、各自の教室へ。 20秒に一回ほどのペースで舌打ちされながら生徒玄関まで辿り着き、貼り出されている名簿を見る。 僕は……1年5組か……。 「1」は800余名の生徒の中でたった一人しかいない。 なるべく無心で4年間を過ごそう。 1年のHR教室は8階と書いてある。 ほぼ無人の玄関を通り、階段を上り始めた。 なっげぇなぁ、この階段……。 ん? 後ろから…………………? それの足音を聞いたときは叫び出しそうになった。 100m走のときよりも速い速度で階段を駆け抜ける。 あと4階分もあるが、足が痛いなどと言っている場合ではない。 後ろから……巨大な殺気がァァァァァァッッ!!! ハァ、ハァ、ハァ……やっと……8階…… 教室前に立ち、改めて名簿を見る。 「は?」 思わず声が出た。 どうして“九神刃”がこのクラスにいる? “九神刃”——この世界で3番目に高い称号で、“七魔将”の次に強い9人の人間に与えられる。 「13」以上であることが最低条件で、聖華剣術や神剣がないと選考はほぼ通過できない。 その一角は「剣術御三家」天崎家5代当主の長男にして現当主の兄である天崎玲。 混乱を抑えきれないまま教室へ入る。 僕の席は前から3番目の窓際だ。 幸い教室にはまだ誰もいない。 これから数時間はずっと無心でいようと再び決意したその瞬間。 …………………………。 後ろから……………。 しかし、もう逃げ場などあるハズがない。 人生で一番深いであろうため息を吐いた。
ジャンル:SF あらすじ:西暦23世紀、某国の研究機関が生物兵器を開発した。 直後に始めた隣国への侵略にそれを投入したが、突如としてそれは暴走。 生物兵器は設定された五年間の寿命が尽きるまで力の限り暴れ続けた。 生物に消されたモノは生命や歴史的な宝物だけではない。 兵器。 自然。 あらゆるモノの製造法。 発明の可能性……。 ——ただ一つ、「刀剣」を除いて、全てが消し去られた。 自然崩壊した国連に代わり地球を統べる腐敗しきった政府とそれに対抗する無数の反政府武装組織とが乱立する社会では、「剣術」で全てが決まる。 名家当主の長男坊でも剣術がなければ軽蔑の視線を注がれ、逆を言えば人格が破綻した大罪人の末っ子でも剣さえ扱えれば周囲からは一目置かれる。 ——そんな世界になって300余年、彼は生まれた。 ©青井おばけ@Aoiobake @jiro-sia ▼カクヨム版(公開文字数:約2.4万字) https://kakuyomu.jp/works/11054822662665449247 ▼前 存在しません ▼次 https://scratch.mit.edu/projects/1392888429/ ▼スタジオ https://scratch.mit.edu/studios/52073577 これで千数百文字なんだけど長い?