オランダM級潜水艦一番艦マールラインは1930年代後半、オランダ海軍がスラバヤ基地を拠点とするオランダ領東インド(現在のインドネシア)防衛および通商破壊戦用に設計・建造した中型通常動力潜水艦。イギリスのS級潜水艦、T級潜水艦、フランスのシュルクーフ潜水艦をベースとしつつ、異例の艦橋部重装甲と艦橋外装魚雷発射管、艦橋外装単装砲を備えた異色の水上砲雷撃型潜水艦である。 強み...艦橋の装甲厚と2連装魚雷発射管の位置から接近戦に特化している 弱点...前方に潜望鏡がないので艦橋にある小窓の高さまで浮上しないと前方視認不可
船体サイズ 全長 58.5 m 全幅 6.2 m 吃水 3.8 m 水上排水量 780 トン 水中排水量 1,020 トン 武装 4インチ単装砲 甲板前部に1基 1連装魚雷発射管 甲板尾部に1基 2連装魚雷発射管 艦橋部に2基 3連装水中魚雷発射管 前後に2基 装甲 潜航用内郭胴体 12mm 艦橋構造物 25mm 4インチ単装砲の砲盾 10mm 魚雷発射管周り・バルジ部 15mm 速度 水上最高速度:14.5 kn 水中最高速度:7 kn 配置 オランダ領東インド・スラバヤ基地 戦績 【撃沈】若竹型駆逐艦「蓬」 【撃沈】特設運送船「大江山」 【撃沈】陸軍徴用船「霧山丸」 【撃沈】特設監視艇「第二永田丸」 【撃沈】特設捕鯨船「第五西京丸」 【大破・航行不能】球磨型巡洋艦「天竜」 その他 安全潜航深度 80 m 限界潜航深度 120 m 水上航続距離 3,000 海里 水中航続距離 80 海里 乗員数 28名 起工 1937年 進水 1938年 退役 1948年 当時の建造価格 約 3,200,000 オランダ・ギルダー 同型艦のあゆみ 二番艦Makreel(マクレール) 新たに前方に潜望鏡が設置されたが、スペースの問題から艦橋の魚雷が2連装魚雷発射管2基から1連装魚雷発射管2基に変更された。 三番艦Meerval(メーバル) 甲板の単装砲が後部にも追加、尾部の魚雷が二連装になり、頭部にも二連装魚雷を配置される予定だったが、建造の途中で終戦となりコストなどの観点から建造中止になった。 四番艦Maanvis(マーンビス) 近年政府によって公開された当時の極秘資料の中に四番艦のデータが見つかった。コード名はMaanvis計画。三番艦の武装の上にフロート付き航空雷撃機を一機内包、対空能力の大幅な向上がなされるというものであった。 五番艦Meneer(メーネアー)(仮) 戦後に設計された五番艦Meneer(仮)は旧連合軍の余剰潜水艦と日本やドイツなどから鹵獲、引き渡しされた潜水艦の武装を集めて改造するという物であった。これは極秘裏に建造され、1958年に退役した。建造年などの詳細は不明。本当に五番艦がM級の設計理念にあっていたかも不明。古生物学におけるゴミ箱分類のような感じで大きさなどからM級に近いのでは?と言われている。 開発時の小ネタ 技術将校は「艦橋(セイル)の最上部に主砲を置き、その直下に潜望鏡を配置する」という、艦橋内部に全ての基幹システムを詰め込む画期的な(はずの)設計を推し進めていた。しかし起工直前、造船技師たちの猛反対と横転計算データにより「艦橋上の主砲案」が急遽白紙撤回。主砲は慌てて「前部甲板」へと降ろされることになる。だが主砲を甲板に降ろしたことで、給弾ルートや砲の補強構造、さらに25mm重装甲セイルの再設計が突貫工事で行われた。その結果、艦橋内部の配管・構造ブロックのレイアウトが滅茶苦茶になり、中央に置く予定だった「前方専用潜望鏡」の昇降筒を通すスペースが完全に消失。「今から船体枠組みを再設計したら就役が1年遅れるから前方潜望鏡はなしで、 浮上して小窓から見ればいい」という現場の意見が通り、そのまま就役。こうしてM-1が誕生した。