日本国憲法の改正に反対する人々が主張するのは、主に「平和主義の堅持」「立憲主義の守護」「人権尊重の徹底」という3つの原則だ。 まず何よりも、憲法第9条は戦後日本の平和と繁栄を根底から支えてきた礎である。これに手を加えることは、アジア諸国との緊張を不必要に高め、再び戦争の惨禍を招くリスクを生み出しかねない。たとえ「自衛隊の明記」という形であっても、そこからなし崩し的に軍備が拡大し、将来的に海外での武力行使に道を開くきっかけになってしまうのではないか、という強い懸念があるからだ。 次に、そもそも憲法とは「国民が国家権力を縛るためのもの」という立憲主義の大前提がある。近年よく議論にのぼる「緊急事態条項」の創設などは、時の政府に権力を過度に集中させ、私たちが持つ基本的人権を脅かす危険性をはらんでいる。国家の都合に合わせてルールを変えるような行為は、主権在民の精神に真っ向から反するものと言える。 さらに、現行憲法が制定以来一度も改正されていない事実は、決して時代遅れであることではない。