町に向けて歩き出した後、何度かゴブリンに襲われたが、俺のスキルとやらとミカの魔法のおかげで怪我ひとつなく進んでいった。そして、シロディトネとかいう町についた。 「ここが、シロディトネよ。経済も観光も発達していて、豊かな領地をもつ“バードスト王国”の首都でもあるのよ。」 「ふ〜ん、そうなんだ。で、ミカはなんでこの町に向かっていたの?」 「ああ、それね。私は“ギルド”から新たな任務の報告があってね。それを終わらしてここに帰ろうとしてたのよ。その時に貴方に出会ったの」 (そうだったのか。というかどうしよう、この世界のこと全然わかってないんだけどなぁ。あ、記憶喪失っていう設定にしよう!) 「そうなんだ。でさ、俺なんかわかんないけど記憶喪失みたいでさ、この世界とかについて教えて欲しいんだけど•••」 「き、記憶喪失!?貴方大丈夫なの?病院とかは?」 「だ、大丈夫だよ!そんなに気にしなくていいよ!」 (これでどうにか誤魔化せるか・・・) 「あ、だから武器の出し方とかもよくわかってなかったのね。まぁ、いいわ」 (誤魔化せた〜!!というか「まぁ、いいわ」ってひどくない?まぁ別にいいし、深掘りしてほしくなかったからいいんだけどね〜) そんなことを考えてると、ミカが 「この世界について色々と教えてあげる」 と早速説明を始めた。 * 「この世界はね、魔物と人類が生存圏を争っているのよ。人は自らの生存圏を確保して、邪魔な魔物どもを討伐するために“ギルド”っていう組合を作ったのよ。これはね、魔物の被害にあった人とかから依頼を受けて、その依頼をギルドに所属している冒険者がこなすっていう仕組みなのよ。まぁ、S−級っていう災害と同等程度の力を持つ魔物以上のが現れたなら、避難勧告を出して、同等ランク以上の冒険者に討伐に行かせるんだけどね。まぁそんな感じ。魔物は基本的に知恵はないんだけど、A−ランクっていうのを超えると、人間と同等、もしかしたらそれ以上の知恵を持つ魔物がウジャウジャといるのよ。で、さっきちょこっと言ったけど、魔物と冒険者、そして武器にはランクがあってね。魔物や冒険者は強さとか頭の良さとかスキルっていう、“耐性”とか、“エクストラスキル”とか、かなり格上の“スペシャルスキル”ってのがあるのよ。まぁ、ただの人間にはできないようなことができるようになったり、するのよね。なんかうまく説明できないけど。そして武器のランクは硬度とそれに込められている魔力とかを一般級(ノーマル)っていうランクと比較して決められるのよね。あ、言うの忘れてたけど、この世界の魔物の頂点は魔王っていうとてつもない力を持つ魔物5人なのよね」 そこで説明は終わった。まぁ、前世にたくさんあったようなRPG的な感じなんだろう。それはそうとして前の俺では理解できなかったはずなのに、なんか一瞬で覚えられたしちゃんと意味も理解できた。なぜだろう。 《それは、スペシャルスキル『賢哲者』の『思考加速』の影響です》 そ、そうなのか、説明ありがとう。で、前から思っていたんだけど君って誰なの? 《私は一般的に“管理者の声”と呼ばれています。スキルの説明などを行なっております》 そうなんだ〜。まぁ別に気にすることはないだろう。とか思っていると 「貴方、自分のスキルとか武器についてもよく覚えてないんでしょう?ギルドに自分の能力とかが全部わかる装置があるから、行ってみる?」 とみかに話しかけられた。 (おお、そんな便利な装置があるのか。自分についてまだ全然わかってないし、行ってみようかな) 「行きたいね。自分について全然覚えてないからさ。ミカさ、冒険者なんでしょ。案内してくれない?」 「いいわよ。それじゃあ、行きましょうか」 ということでミカにギルドに案内してもらうことになったのだった。