プロローグ https://scratch.mit.edu/projects/833231899/ (旗を押してから読んでください) 「死神」 これは「あいつ」が俺につけた仮名――いわゆる、あだ名だ。もちろん、本名じゃない。 「あいつ」とは、俺にだけ本音を吐いてくる面倒くさい、いや、かなり面倒くさい発達障がい者だ。 発達障がいとは、脳の機能に障がいがある人のことをいう。「あいつ」は、注意欠如・多動症(ADHD)で、朝にストラテラとコンサータ、夜は、ストラテラのみを服用している。それで……おっと、話が逸れたようだ。話を戻そう。 それで、俺はひょんなことから「あいつ」とその家族と暮らすことになった。だが、そのことを「あいつ」以外は知らない。「あいつ」には、両親と六歳離れている妹がいる。俺が来た時、妹はまだ一歳だった。 俺と「あいつ」は毎年同じクラス。いい加減、別々のクラスになりたいが、そんなことがあったら大変だ。 「あいつ」はいきなり、俺に質問する。 「ねえ、もしウチが死んだら悲しむ人はいるかな?」 俺は素直に答えた。 「さあな。一人ぐらいいるんじゃねえか?」 「あいつ」はさらに質問を重ねる。 「例えば?」 「例えば?うーん……そう言われると思いつかねえや」 「ふーん……」 自分で質問したのにそれか。そして、「あいつ」はボソリと声を絞り出すように呟く。 「まあ、ウチの気持ちなんて……誰も分かってくれないよね」 「俺は?」 「あんたは例外中の例外。ウチが信用してんのはあんたと……◽︎◽︎◽︎――だけ」 「あっそ」 最後はよく、聞こえなかったが、要するに自分以外は信用していないわけか。 ……はっきり言ってしまおう。俺は「あいつ」が嫌いだ。「あいつ」は、自覚していないが、「あいつ」の言葉は、棘がある。おまけに俺の影響か、口が悪い。そのせいで、誤解を招いたことだって少なくない。 いろんな意味で変わってしまった「あいつ」と過ごした日々を思い返してみた。 第二章 https://scratch.mit.edu/projects/841934102/