はいってことでこの企画ももはや3回目.....いやはや。 まあグダグダやってくんでよろしくお願いします! ========================================= 「ん、よしよし。」 「グルルル.....」 こうしてあやしてみると目がとろんとしててホント可愛い。これ、ヒョウなんだけどな...... 「あ、黒ちゃん帰ってたの?お帰り~」 「ん、ただいまー」 「というかそれ......ヒョウ?」 「うん。ヒュークっていうんだ。意外と可愛いよ?」 「え、でも....」 「まあ緊急時になったら即座に5人くらいは噛み殺すけど。」 「こわ......というか、どうやってそんなのと出会ったの...?ペットショップじゃ到底手に入れらんなそうだけど....」 「ああ、ヒュークはね.....」 ___ 『スピルイムの森』。人がめったに出入りせず、野生動物や虫の巣くう場所。そんなところに、俺は迷い込んできてしまったらしい。 俺の家は貧乏....というか孤児院だった。だけど、どうやら院長が寄付金なんかをそっくりそのまま懐に入れてしまってるらしく、建物はボロいし、食べ物も腐ったものしか出ないっていう悲惨さ。そんで俺は、数人の仲間を連れ、まともな食べ物を得ようと、脱走した。 ....稚拙で、思い付きの行動だった。 お金も何も持っていないので、盗むことにした。簡単な作戦だったが、これが結構うまくいった。 まず、一人が迷子になったなどとうそをついて店員の気を引く。そして、他の者たちは一斉に商品を盗み出す。 最後に、みんな自分の親が見つかったなどとうそをついて退散する。 気を引く役の子が結構演技もうまかったこともあってか、たくさん食料を手に入れた。 ほくほく顔で帰ろうとする....が、現実はそううまくはいかない。 「盗人だーっ!」 「あ、あの子!うちのパン持ってるわ!」 「俺の店の肉も!」 それぞれで食べ物をもって、脱兎のように逃げていく。 みんな最終的に孤児院に行こうと決めていた。だけど俺は地理には疎く、道も全然わからなかったため、誰とも合流できず、孤児院も見当たらず、ただ逃げていた。 それでとうとう、森についてしまった。泣きながらあたりを見回すと、何か声がした。 「グルゥ.....」 とうなり声のような音。草を踏んでこちらに向かってくる音も聞こえた。 (あ.....死ぬ。) 子供ながらにそう思った。 そして俺の視界に移ったのは....小さな、真っ黒なヒョウだった。どうやら子供らしく、小さい。お腹を空かせているようで、必死にあたりを見回している。 「...........ねえ。」 その声にクロヒョウがビクッとなる。そして、こちらを見る。 「お腹....空いてるんでしょ?僕と一緒に....これ食べない?」 差し出したのは俺の取り分のロールパン二つと、ベーコン二欠片、ハム(スライス済み)二枚だった。 食べ物を見せると、クロヒョウはこちらに近づいてくる。 「あ、待って。今包装はがすから....」 包装を取って、クロヒョウに渡す。すると、いきなりバクバクと食べ始めた。やはりお腹が空いてたのだろう。ベーコンをそっくりそのままクロヒョウにやり、ハムも一枚あげた。ヒョウがパンを食べれるのかわからなかったし....まあ、それ以外は俺が食べた。 そして、森を出ようと決心する。流石にもう追ってこないだろう。 そう思って森をさまよってみる....が、やはり森、しかも夜だ。出口に着くどころか、さらに深く入ってしまったように見受けられる。 「どうしよう.......ここで野宿か......?」 明るくなってから出口を探そう。そう思って俺は、クロヒョウと共に木の根のあたりに腰を下ろした。 パァンッ! と、いきなり銃声が耳をつんざく。あたりはしなかったようだが、このあたりに人がいるらしい。 「お、すごい黒いヒョウがいるな....これは....何としてでも手に入れる!」 「ガルルルルルルルルウ....!!!」 「...........っ?!どうしたの?」 クロヒョウがいきなり激しくうなり始めた。当たり前だ。茂みから出てきたのはとてつもなく醜悪そうな男だったから。 赤茶の髪で、顔は整っていた、が、口は歪み、目は血走り、荒い息をしていた。片手には猟銃と思しきものを持っている。男は俺に気付いたようで、こう要求する。 「ほら、さっさとそのヒョウを渡せよ。」 「やだ!この子だって嫌がってるし!」 俺は必死に否定するが、その言葉はどうやら男には届いていないらしい。 「クロヒョウ......めったに見ない希少ものだ.....シロヒョウとセットにして売ったら儲かる.....!」 「ヴルルルルルル......ガウルルルルルル!」 さらに激しくクロヒョウが唸ったかと思うと、いきなり男に噛みついた。 「ど、どうしたの?!」 「ギャアッ!やめろ!このバカめ!」 男はクロヒョウを引きはがすのに必死で、銃も取り落としてしまった。そこをすかさず取る。昼の万引きで技術は十二分にあった。 「ぐあっ!俺の銃!盗るなっ!このガキ!」 男は悪態をつくが、まだクロヒョウと揉みあっている。 しかし、いくらヒョウといえども子供。そうこうしているうちに、男はクロヒョウを引きはがしてしまった。 「ギャン!」 「大丈夫?!」 「へっへっへ.....そのクロヒョウはもうやった.....あとはお前.....さっさと銃を返せ.....」 瞬間、頭に強い衝撃が走る。力が抜け、思わず手を放してしまう。 「そうだ...お前も眠ってろ....そこのヒョウと一緒に奴隷として売りさばいてやる....」 視界が眩む。依然として体は動かない。自分の無力さを実感しながら、俺の意識は闇へと落ちていった.... ____ 気が付くと、俺はステージのようなものにクロヒョウと一緒に出されていた。 手には錠、足枷、猿轡までかまされていて、身動きが取れない。 だんだんと、周りの声が耳に入ってくる。 「一千マタ!」 「二千マタ」 「二千三百マタ!」 「二千五百マタ!」 どうやら金額を読み上げているようだ。 「~っ!」 やはり声が出ない。そうこうしてる間にも金額は吊り上がっていく。 「五千マタ!」 そこでしばらく沈黙が起こる。 「では、五千マタで、落___」 そこで、静かに声が響く。 「百チェプ。」 「?!.....で、では、そこの方の百チェプで落札ー!」 カランカランと鐘が鳴る。自分の暗い運命を感じながら、またしても意識は闇へと吸い込まれていった。 ____ 車の中。やはり俺はステージに出された時と同じ手錠に足枷猿轡で、車のトランクに横になっている。 (ああ.....なんでこんなことしちゃったんだろう.....シブ、ニタ、サラ、大丈夫かな......) 仲間の顔が思い浮かぶ。こんなことしなけりゃ、今頃奴隷として売り買いもされてなかったのに..... と、車が止まり、トランクが開く。 目もくらむまぶしい光が視界に移りこむ。 (俺はこれから、どんな目に合うのだろう?) そう思い、覚悟を決めていた颯太だった。が、そこでの生活は、思っていたほど厳しいものではなかったのである_____ ========================================= 長くなっちゃったんでここから先はまた別でやります。はい。番外編とかで。