22話 部屋の前にあった絶望 「は…?ら、Latte…?」 部屋に戻ろうとすると、部屋の前で真っ赤になっているLatteがいた。 「う、嘘、だよな?」 そう言って触ってみると、べっとりとした何かが俺の手についた。 これ、血だ…。 Latteは、すっかり冷たくなって、動かなかった。 「Latte……。」 Latteを殺したのは、あふぇさんでも、八幡さんでもない。 2人とも、俺と、しぇいどさんが視認してた。 第3陣営が、俺たち以外にも、いる…。 ジャッカルか?それか、ヤンデレ…? 子豚はキルできなくて、アリスもありえるか。 俺は、脳裏に過ぎる全部の可能性を比べた。 俺たちは恋人。 最後まで生き残ってれば勝ちの第3陣営。 ゲームマスターに、そんな説明を受けた。 ただ、片方が死ぬと、その日のうちに片方も死ぬ。 だから俺たちは、死んではいけない。 絶対に2人で勝つって約束したのに…。 Latteはパン屋、俺は悪魔。 Latteが死んだ以上、俺は今日死ぬ。 だから、それまでに 「絶対、絶対に、Latteを殺した犯人、見つけるからね。」 そう言って俺は死体を発見した。 【4番目の犠牲者、Latte様が発見されました。】 23話 理不尽不都合システム インポスターは、iemon、メテヲさん、ヒナちゃん、あふぇさん。 悪魔からは、インポスターがわかる。 俺が、もう少し気をつけていれば…。 でも、インポスターたちはキルはしてない。 あふぇさんは見てたから無理。 メテヲさんは吊った。 iemonは電気室でうたいさんとべるさんに見られてる。 ヒナちゃんは、ずっと視認を取られてる。 第3陣営がキルをした。 そういえば、結構移動したからたくさん人も見てる。 でも、一度も見てない人がいる。 “Sレイマリ” あいつだけは、一回も見てない。 最初ミーティングルーム、2階、ホール、第二電気、エレベーターで降りて電気、メイン、シャワー、アーカイブ、ラウンジ、貨物、診察。 この経路でSレイマリ以外は全員見てる。 でも、俺と会った後もしくは会う前にキルを通してる可能性もある。 この場合、容疑者として浮かぶのは、Sレイマリ、みぞれさん、ルカさん。 Sレイマリはただ単に見てない。 みぞれさんは、見た時の経路がおかしかった。 だって、第二電気で見たのに、その次にメインで見たから。 ルカさんは、最初にキッチン方面に行くのを見ただけで、他は見てない。 「あ、さもさんっ」 「え、あ、ウパさん?」 「今日、みぞれさんか、ルカさんか、Sレイマリを占ってください!」 「え…なんで?」 「Latteを殺した犯人は、この3人の中にいます。」 「え…?」 俺は、さもさんに俺とLatteが恋人だということ、俺は今日死ぬということ、Sレイマリだけ経路内で見てないということなど全部話した。 「なるほど…。確かに、俺はウパさんに見られてるし、近くにしぇいどさんやあふぇさんがいるのは見てる。OK、わかった信じる。」 「ありがと。俺の経路で、ほぼ全員見たんだ。俺、自分の部屋の方以外全部のところ回ってたから、犯人は3人のうちの誰か。」 「みぞれさんは弾いていいんじゃないかな。」 「え?」 「だって、ウパさんの部屋って2階の一番左奥でしょ?」 「うん。」 「だよね。ならみぞれさんがキルする位置ないよ。」 「そっか。そうだ。」 「で、ルカさんはキッチン方面なら、ウパさんより大移動しないと2階に行けないよね。だって、キッチンからベント使ったとしても、2階には行けないし。」 「あ。」 「だから犯人はレイマリさんじゃないかな。」 「天才!さもさん天才!」 「結構簡単なんだけど…。まぁいいか、とりあえずレイマリさん占っとくね。」 Latte、やったよ。 犯人、見つけたよ。 「え…?」 急に手が勝手に動いた。 そして、近くにあった銃を取った。 「あ…!ウ、ウパさん!」 さもさんがそう叫んだ頃。 俺は、自分に向かって銃を撃っていた。 「え、なに、これ…。おれ、なんもしてないのに…!」 俺の部屋の前にあるLatteの死体と、俺の身体から流れる血が、さもさんを絶望の底に沈めた。 【5番目の犠牲者、ウパパロン様が発見されました。】 24話 彼女の本性 目の前で人が死んだ。 自分でやったわけじゃない。 “システムに殺された”。 非情な現状は、いくら嘆いても変わらない。 だから、とりあえず、レイマリさんを占った。 役職は、『ヤンデレ』。 やっぱり、犯人はレイマリさん。 俺は、まだ微かに意識のあるウパさんの前のしゃがみ込んで、 「ウパさん、Latteさんの仇、俺が討ちますからね。」 手を握ってそう言った。 「さ、も、さ…ん、おね、がい、し、ま…す…。」 悪戯っぽく笑った彼は、そのまま絶命した。 俺は、ウパさんの死体をLatteさんの隣に置いた。 「俺が、クルーを勝利に導きます。どうか、応援しててください。」 「わかりました!頑張ってください!」 「さもさん、頼みましたよっ!」 2人の声が聞こえた気がした。 「……了解です。2人の無念は、俺が晴らします。」 2人の前でそう誓って、俺はミーティングルームに足を進めた。 ミーティングルームには、俺以外の全員がいた。 俺は、空いている席に座った。 「レイマリさん、ヤンデレです。」 すぐにそう言った。 「……あーあ、バラされちゃった。」 「レイ、マリさん…?」 「そうだよ?私はヤンデレ。でも、私が死ぬんだったら、あなたも一緒だよ。ガンマスさん♪」 「え…わ、私…?」 ガンマスさんが、突然自分の名前を出されて、驚いている。 「うん!ガンマスさんだよ。」 「なん、で…?」 「私、ガンマスさんが好きなんだ♪だから、死ぬんだったら一緒がいいなぁって!」 「い、いやだ…わ、私、死にたく…っ!」 「そういう顔も可愛いね♪」 「い、いや、こ、こないでっ!(音割れ)」 「うっ…!」 その場にいた全員が耳を塞いだ。 「ちょっと、鼓膜破れちゃうじゃないですか〜。やめてくださいよ。」 「え…うそ…きい、てない…?」 「まー、いいですよ。今回は私を吊ってください。でも、そのあとでキル役職さん、ガンマスさんをキルしてくださいね。」 投票結果 Sレイマリ18票 Sレイマリが追放。 「じゃあね。ガンマスさん。またあとで。」 そう言ってレイマリさんは、メテヲさんが飛んだ窓から飛び降りた。 ひゅうっ、と風を切って、彼女の姿は見えなくなった。 「わ、私、殺されないよね…?」 ミーティングルームの真ん中には、酷く怯えるガンマスさんがいた。 1人、影が彼女に近づいた。 「ガンマスさん、心配しないで?私が、守ってあげるから。」 怯える彼女の手を取ったのは、最年少の柊鳴ヒナだった。