34話 動き出した一匹狼 さて、そろそろ動きだすかな。 俺たちはついさっき、あふぇりるさんを吊った。 そして、しぇいどさんは次の会議で吊ることになった。 そして今に至る。 俺は、みぞれさんと話しながら大きな水槽のトンネルの中にいた。 どうやら、みぞれさんはここで迷子になっていたようだ。 「うぅっ…方向音痴ですみません…。」 「…ここ広いし迷子になるの仕方ない気もするけどね。」 「ルカさん…!」 いつも通りの俺を演じた。 みぞれさんをサイドキックにする気はないけど。 サイドキックするのは…。 「…あれ、みぞれさんとルカ兄だー!」 ヒナ。 俺の妹。 確白じゃないけど、限りなく白位置。 なら、サイドキックにしてしまっても問題はない。 …でも、まだ、みぞれさんがいるからできないな…。 あと、これでヒナがインポスターだったら…。 キル役職は多分俺だけ。 まぁ、これは賭けだ。 タスクマスターとかなら嬉しいな。とは思うけど。 多分普通にクルー陣営だろ。 だからみぞれさんがレイラーさんを見つけて走っていく。 今、この時にヒナをサイドキックした。 35話 迷い込んだ子猫 私は…誰を吊るのが正解なの? しぇいどさんを吊るのは確定。 霊媒結果は おどろくさん白、ぐさおさん第3陣営、メテヲさん黒、Latteさん白、ウパさん黒、レイマリさん第3陣営、べるさん第3陣営、ななっし〜さん白、あふぇりるさん黒。 メテヲさんとあふぇりるさんはインポスター確定。 ウパさんはおそらく悪魔。 Latteさんはパン屋でななっし〜さんマッドメイト。 盤面的におどろくさん村人陣営。 あと1人以上、確実に、インポスターがいる。 私はしがない霊媒師。 誰かを占うことも、確定で誰かと誰かを吊ることも、キルを跳ね返すこともできない。 でも、それでも私は、クルーを勝利に導く。 「さて。誰か人探すかな。」 そう呟いた時だった。 誰かの泣き声が聞こえたのは。 泣き声のする方へ向かうと、体を小さく丸めた、子猫のような女の子がいた。 「…えっと…大丈夫?」 私は意を決して話しかけた。 すると女の子の表情は笑顔に変わり、 「え、えっと大丈夫!」 そう笑って言った。 「あ、私はめめんともり。めめ村の村長。」 「…茶子は茶子っていうの!ねぇ、めめさん、ここ、どこ?」 辺りを見回すようにしてそう尋ねた。 「ここは飛行船。私たちはリアル人狼ゲームを強制プレイさせられてるの。」 「え…?」 時間が止まったみたいだった。 私と茶子さんの呼吸音だけが聞こえる音だった。 「リアル…人狼…ゲー、ム…?」 30秒くらい経った時だった。 茶子さんが怯えたように言葉を切る。 「うん。リアル人狼ゲーム。」 私は息を吸って、言葉を続ける。 「今回、私は霊媒師。茶子さんは、何か役職ある?」 「……え、えっと…茶子はしがない村人です。」 あとでさもさんに占ってもらおうかな。 多分村人なんだろうけど。 「じゃあ、茶子さん。ちょっと案内するね。」 「あ、は、はい!」 そのままミーティングルームの方へ足を進めた。 茶子さんは私の後を少し駆け足でついてきた。 多分、年はヒナちゃんと同じくらいかな? それか年下。 少なくとも、私やルカさんたちよりかは年下だね。 ようやくミーティングルームについた。 「茶子さん、ここがミーティングルーム。会議を始めたりできるの。私は、基本ここにいるよ。」 「へぇ〜…。じゃあじゃあ、茶子もめめさんと一緒にいてもいいかな?」 「いいよ。別にクルーはタスクないしね。」 「やったやった!茶子もめめさんのお手伝いする!」 「うん。じゃあ、とりあえずボタン押そうか。」 そう言って私が歩き出すと、茶子さんも少し駆け足で私の後を追ってきた。 そして茶子さんがボタンを押した。 36話 裏切り者の裏切り者 死者はいなかった。 ただ、私が茶子さんを紹介して、しぇいどさんを吊る。 はずだった。 「…あの、一ついいですか。」 ジュースを手に、席についたうたいさんが言った。 「?…いいですよ。」 「この中に、私を裏切ったご主人様がいます。」 全員の間に衝撃が走った。 茶子さんは、多分なんのことかわからないんだろう。 キョロキョロと周りを見回している。 うたいさんの指がヒナちゃんを指した。 「それは…あなたです。ヒナちゃん。」 全員の視線がヒナちゃんに向く。 茶子さんも、少し遅れてヒナちゃんを見た。 当のヒナちゃんは、びっくりしたような顔で、うたいさんを見ている。 「私は最初、シェリフでした。そして、ヒナちゃんにドールにされました。そのまま、勝てればいい。そう思っていました。でも!」 バン!と、うたいさんが机を叩いた。 「あなたが…あなたの目が…赤色ではなくなっていたんです…!」 涙目でそう訴えた。 「私は、ご主人様がいなくなれば自殺します。多分、今もヒナちゃんはご主人様です。だから…だから…!私たちを裏切ったご主人様を吊し上げてください…!」 うたいさんは力尽きたようにその場に崩れ落ちた。 そしてしぇいどさんとさもさんと凸さんがその場に駆け寄った。 ヒナちゃんはそんなうたいさんを見て嘲るように笑っていた。 「ふーん。バラされちゃったか。」 ヒナちゃんはくすくすと音を立てて笑った。 「そうだよ?私は元ヒプノテイスト。確かにうたいさんをドールにした。」 だけどね、とうたいさんを見た。 「私はもうインポスターじゃないの。ジャッカルのサイドキックなの。私のご主人様を当てたら、私を吊ってもいいよ?」 そう言ってヒナちゃんは悪魔のように笑った。 「あ〜…発言いいですか?……CO、双子。もう1人は内緒。で、私、ジャッカル知ってるんですよね。」 レイラーさんがそう言い終わると、ヒナちゃんの顔から余裕が消えた。 「私、ヒナちゃんがサイドキックされるところ見ちゃったんですよ。」 ね?、とレイラーさんの視線が動く。 「ルカさん。あなたがジャッカルです。」 にっこりと微笑んだ彼女の顔は、悪魔より悪魔に見えた。 「違うよ?残念でしt」 「あ、私、映像撮ってます。」 ヒナちゃんが言いかけたところでレイラーさんが割り込んだ。 そしてモニターにスマホの映像を映した。 その映像には、確かにルカさんがヒナちゃんに触れ、目が一瞬青く光るのが見えた。 「え…嘘…そんな…。」 「嘘じゃないです。どっちから吊ります?ヒナちゃんとルカさん。」 うたいさんまで自爆するならヒナちゃんの方が吊り得。 「ヒナちゃんで。」 みんながヒナちゃんに投票した。 ヒナちゃんを吊った。 ごめんね。ごめんね。 このあと、ルカさんも地獄に送ってあげる。 ほんの数分後。 自身の胸にナイフを刺したうたいさんの死体が発見された。 あと残ってる人外は、ジャッカルと、アリスだけ。 人外を吊るせば、私たちの勝ち。 2連続挿絵霊夢でごめんなさい(うたいさん死亡シーン流石にグロくて描けへん) あと菓子ちゃんも好きなんだけど労力的に諦めた