我が魔王になってから最初に現れたのは今から何百年前だっただろう。 最初の勇者と魔王はだいたい1万年前だと聞いたが、そのことについてほとんど何も残っていない。その頃の勇者と魔王は今までの中で最も強いということだけは残っている。 ただ、我はそれよりももっと前。勇者も魔王もいなかった頃の状態に戻したいのだ。 最初の勇者は占領されていた元々魔物の土地だった場所を取り返したんだ。ただ、勇者に辿り着くまで大変だった。しかし、勇者はとても弱かった。よくよく考えてみたら当たり前だ。あいつら人間にとっては、特に勇者は平和で魔物がとても弱かったのだから。しかし、我は偶然強く生まれた。だからこそ油断している勇者の意表を突くことができたのだ。本当に弱かった。しかし、その時の勇者は妙なことを言っていた。 最初の勇者「お前、こんなことしたってこの世はなんも変わりはしないんだぜ?」 我は戯言だと思い、そのまま勇者を56した。 次の勇者が出た頃にはもう「ハジマリノ国の国王」にはうんざりした。勇者を出した理由が「魔王が今までの勇者を56した。だから魔王を討伐しろ」だった。本当に最初の争いはなぜ起こったのか、どちらが先、どちらが正しいなぞ分からなかった。しかし、この出撃命令にはどうも納得が行かなかった。我らは人間に占拠されていた魔物の土地を取り返しただけであった。結果的にお互いにプラマイゼロにしただけなのだ。なのにどうして人間はこちらを攻めてくる?人間の強欲さには呆れる。