※作者は国語の成績低いです。期待するな ※順番的には使い方→メモとクレジットの順番です ※恐らく誤字脱字あるんでどうかご指摘を ※アースとムーンの過去編こんな雑でええんか ====================================== 【MEMORY OF PREVIOUS LIFE】 第一節 - 東雲鈴音/東雲灰 ====================================== 中学三年生の冬だった。 日付は多分...そう、1月。1月17日。 その日だけやけに気温が低かったことを覚えている。 綺麗だなぁ。 私は窓越しに朝焼けを見ながらそう思った。 昨日は雨が降っていたからか、余計にその景色が美しく、晴れ晴れしい感じがした。 少しだけ、地平線から出ている橙色の太陽がまぶしいぐらいに美しく光っていた。 午前6時52分。 普段なら30分ぐらいには起きてたからちょっと寝坊したけど、これぐらいなら遅刻はしないはず...大丈夫。 そう思いながら私はベッドから立ち上がった。 まあ案の定、家にはもう誰もいなかった。 お父さんとお母さんはここ数か月海外に出張に行ってるけど、その分たまに叔父さんたちが面倒を見に来てくれるから不便はしてない。 灰の奴はもう学校に行ってるだろうし、翠兄ちゃんも今日は早朝から部活で合宿があるって言ってたし...それで外出してるのかな。 そんなことを一人で考えていた。 まあ...確かにちょっとだけ違うけど、いっつも通り。 歯磨きして、朝ご飯食べて、制服に着替える。 自転車の鍵をとって、鞄を背負って、ペダルをこぐ。 ふと思い出した。 (あ、やべ...数学の課題やってない) 今日も...今まで見たいに、何事もなく普通に終わると思ってた。 もしかしたら、今日何かが起こるかも...なんて考えてすらなかった。 ちょっと遅刻した。 いや、一時間目には全然間に合ったけど...朝のSHRの真っ只中にクラスの中に入っていく気まずさにはやっぱり慣れない。 先生にも事情聴かれるから...寝坊なんて答えるわけにもいかないし。 やっぱ学校始まるの早すぎるんだよ。 なんていう愚痴を心の中で呟きながら、机で頬杖をついていた。 「あ、そうだ...」 一時間目までまだちょっと時間はまだあるし、灰に数学の課題ちょっとだけ写させてもらおうかな。 クラスメイトたちが周囲で駄弁っている中、そんなことを考えて私は席を立ち上がって教室を出た。 灰とは今年は別々のクラスだから、移動しないとなのが面倒だけど...。 隣の教室の開けっ放しにされてる扉から少し顔を出し、無言のまま教室を見渡す。 私に大勢の人たちがいる中で大きな声を出す度胸など無い。 そうやって数十秒無言で教室を眺めていると、ふと後ろの席に座っていた同級生が私の存在に気づいたっぽく、話しかけてきてくれた。 「ん...どうした東雲、誰かに用か?」 「...あ、うん....灰...いるかな?」 「ああ、灰ね...ちょっと待ってろ。」 そう言って彼は一寸の迷いもなく窓際で友人と話してた灰に声を掛けた。 あ...灰そこにいたんだ。1mmも気づかなかった。 自分自身の鈍感さに少し呆れていると、いつの間にか近くに来ていた灰が話しかけてきた。 「なんだよ、鈴音...さてはまた課題か?」 「ご名答。というわけで見せろ」 「断る。たまにはさぼってないで自分でやれカス」 「いやいや...私は塾のせいで時間ないだけでさぼってるわけじゃなから。」 「問題解けねえからって嘘つくのよくないぞお前」 「嘘じゃないから。事実。」 「...はぁ...。」 と、溜め息をつきながら灰は私に自分のノートを渡してきた。いっつも口喧嘩はするが最終的にはなんやかんや言って見せてくれるからありがたい。 「そういえば、さ...」 と、灰がスマホで課題の答えが書いてあるページの写真を撮っていた私に話しかけてきた。 「何?」 「今日、お前文化委員会の集まりあるんじゃないのか...ほら、昨日のSHRで先生が言ってたし...。」 「えっ...マジ?」 「マジだよ...やっぱ忘れてたか、覚えといてよかったわ...。」 「うん。完全に忘れてた」 「ああ...てか今日は兄ちゃんも家にいないんだろ、なら俺が先に家帰って色々と家事すませとくわ...。」 「うん、ありがと」 「...その代わり明日はお前がやれよ」 「わかってるって」 そんな会話をしながら、私は灰にノートを返し、自分の教室へと戻る。 ...今、思えば...この時に灰と話したのは...これが最期だったな。 ====================================== やっぱ...変わんねえなぁ...と思った。 双子とはいえ、順番的に鈴音が姉なのがマジで納得がいかない。 かといって俺が兄になったところで兄として立派になれるかは別だが。 鈴音は小学校の頃から物忘れがひどかったし、結構さぼり癖があった。 まあさすがに今は受験期だしさぼったりはしてないっぽいが...記憶力の無さは相変わらず。 (いやまあ塾で大変なのはわかるし...俺は行ってないからなんも言えないんだけど...塾程度でそんなに時間なくなるもんなのか...?) ...と、疑問を浮かべながら...俺は自分の教室に帰っていく姉の背中を眺めていた。 (めんどくせえなぁ...高校...) なんだよ数学Bって。なんだよ物理って。 全部まとめて数学とか理科で良いだろ...わけわっかんねえな。 ふと、一時間目の予鈴が耳に入ってきた。 俺は横にいた友人に問いかける。 「次の授業なんだっけ?」 「...ん~....論理表現だったはず...多分。」 「おっけ、論表ね...課題とかあったっけ?」 「いや多分ない...というかあったとしたら俺やってないからタヒぬ」 「安心しろその場合俺もタヒぬから」 そんな感じの他愛のない会話をしながら、俺は鞄から教科書を引っ張り出した。 なにも珍しくない、いつも通りの日常。 いつも通りの日常だったんだ。 【メモとクレジットに続く】 ======================================
【↓使い方の続きです】 ====================================== 委員会で思ったよりも時間がとられた。 なんだよ来年のことについてって。私たち来年この学校いないし知らねえよ本当。 朝と同様に愚痴を心の中で永遠に唱えながら、私は自転車のペダルをこいで家へと向かっていた。 現在時刻午後6時23分。 冬だから、ということもあるだろうが...もうとっくに空は暗くなっている。 (8時から塾あるのに...間に合うかなぁ...。) (あ、でもまあ...家事とかは帰った灰がしてくれてるだろうし...なんとかなるかもだし...そんなに心配しないで良いか...。) なんて、数時間後のことを考えながら少しだけペダルをこいでいる足を加速させた。 向かい風が冷たかった。 いつも通りの景色。 いつも通りの帰路。 いつも通り、道路の左側に見えてくる自分の家。 「東雲」と書かれたちょっとだけぼろい表札。 外から窓越しに見える明かりが、普段と少し違う色をしてる気がした。 自転車の鍵を取り外して、鞄をかごから取り出して、玄関に向かう。 鍵を開けようとして、扉が開きっぱなしなことに気付いた。 (鍵...かけ忘れてるじゃん...不用心な...。) そんなことを考えながらドアノブを握り、内開きの扉を開けた。 暖房のおかげか暖かくなった空気とともに、血なまぐさい臭いが鼻に飛び込んできた。 臭いの元は奥の部屋...リビングから。 「ただいま」なんていう暇もなく、私は鞄を放り投げ、扉をあけっぱなしにして真っ先にリビングへと駆けつけた。 理解ができなかった。 最初に目に入ったのは制服の白い靴下で踏んだ血の跡だった。 それを見た私は考える暇もなく、無意識に目先で血の跡をたどった。 人がキッチンの陰に倒れていた。血まみれで。 多分、同じぐらいの年齢だったと思う。 男の人だったかな。 もう生気がない顔はどっかで見たことがあって。 近くに赤い物が付着したスマホが転がってて。 画面には「鈴音」って書いてある連絡先が写ってて。 そこで理解した。 この人、灰だって。 足の力が抜けていくのが分かった。 血がついた床に倒れるように座り込んで。 テレビとかで見たことがある。 誰かがタヒんだニュースも、誰かが誰かを殺したニュースも。 少しだけ...そんな人たちの遺族の気持ちが分かった気がした。 そして、被害者の気持ちも。 お腹に痛みが走って、初めてそいつの存在に気づいた。 目の前に男がいた。 赤黒い髪で、服には血がついていて...犬歯をむき出しにした不気味な笑みを浮かべていて。 そいつに自分が刺されてるってことがわかった。 声を出す間もなく、そいつはすぐに私を刺していた包丁を抜いて私の左肩を刺した。 その衝撃で私は頭から仰向けに床に倒れこんだ。 その後のことはあまり覚えてない。 思い出したくない。 ただ、刺されたところが炙られるように熱くなって、何かが流れ出て行っていることは覚えてる。 最期に見た情景は、橙色に薄く光る丸い蛍光灯と、私の首にまっすぐに振り下ろされる刃物だったと思う。 ====================================== 「あ~...やっぱガキ殺すのが一番楽しいなぁ...。」 男がそう呟いた。 足元には無残なタヒ体が転がっていた。 (楽しいよな、本当...人を殺すことでしか得られねえ優越感っつーもんがある...これ知らねえ奴ら損してるぜ本当...。) (ま、俺は優しいからその感性を人に押し付けたりせずに殺してあげてるがな...) 返り血がついた顔でにやけながら、男はナイフをタヒ体の首から乱暴に引き抜き、リビングを後にした。 その男の名前は鎧塚 怪賀という。 ====================================== 『◇◇県中学生姉弟殺害事件』 翌々日、何気なく合宿先で宿に並んでいた新聞を読んでいた東雲翠は、この事件の存在を知る。 そして、その被害者が自分の妹と弟であることも。 ====================================== 数年後、12月。 「forward」という組織がとあるデスゲームを始めようとしていた。 その組織の一員、ムーン・グラヴィティはそのゲーム...「おにごっこ」に参加する人物の顔写真と名前が書かれた名簿を確認していた。 実質流し読みのような感じでぱっぱと名簿を流していたムーンは、とある1ぺージで手を止める。 『鈴木 海』 ムーンはその顔に心当たりがする気がした。 いや、心当たりなんかじゃなく...ほとんど一致しているような気もした。 しかし、確認するとその人物の情報は全くの別物...個人情報どころか性格や名前までムーンが知る「彼」とはかけ離れていた。 そっくりさんと言う物はこの世に存在する。実際顔以外の情報は全く一致していないしな...。 彼は彼自身にそう言い聞かせた。 (...まさかな。) そして、ムーンはまた名簿を流し始めた。 ====================================== forward No.3 アース・グラヴィティ および forward No.6 ムーン・グラヴィティ 前世では「東雲 鈴音」「東雲 灰」という名前の双子であり、また「東雲 翠」という兄を持っていた。 生前からの知り合い同士、そして「人がタヒぬ」という恐怖を彼ら彼女ら自身が身をもって実感している。 よって、forwardが掲げている目標に必要なメンバーと判断して抜粋。 【第一節 - 東雲鈴音/東雲灰 終】 ======================================