5話「Let’s get started.」長さ★★★★★(1ページ使っちゃった…) 胡散臭いという目で俺と横の幼女を見ている若者が二人。そんな目で見られながら久しぶりにホットミルクじゃなくてコーヒーを頼んだ。口をつけた瞬間、頭の中に響く「でろり」という効果音とともに自分が大の甘党でコーヒーが苦手だということを思い出した。 「ふふ、そういえば貴方はコーヒーが苦手だったわね。」 俺が苦味に悶絶している顔を見て、白い幼女が声をかけてきた。 「どうしてはじめましての人間がそこまで知ってんですかねぇ…。その様子だとわざわざ会議場所を俺んちの近くにしたのもわざとにしか見えないんだが。」 そう言うと彼女は嘲るように 「はじめましてじゃないんだけどねぇ…。それに会議場所をここにしたのは他にも理由があるのよ?」 「その言い方じゃわざと近くにしたってことが確定しちまってるじゃねぇか。」 「あのーそろそろ本題に入ってくれるでしょうか。」 高校生ぐらいの女の子が気まずそうに手を上げていた。 すると我に返った幼女がコホン、とわざとらしく咳払いをしてから 「失礼、久しぶりにリンタロウと喋ったからつい楽しくなっちゃって」 と言ってから「☆(ゝω・)vキャピ」という効果音がいかにも似合うポーズをした。じゃあなんで咳払いをしたんだ。 「気を取り直して、本題に入ろうかしら。あ、言っとくけどキャストは随時追加するからね。」 すげー監督だな。自由奔放っつーか。 「あのー…一つ質問いいですか?」 と、申し訳無さそうにいかにもアイドルな女子が手を上げた。良かったこいつはまとも枠な気がする。 「監督って結局どっちなんですか?その…オジサンと女の子の…」 …は? 「俺まだ大学3年生なんだけど!?!?」 つい机を叩いてしまい、アイドルが肩をビクつかせた。 「そ、そこ!?あ、あの失礼しましたぁぁッ!!」 半涙目で謝罪をしたアイドルを見て俺は正気に戻った。 「あ、ごめん!!泣かせるつもりはなかったんだ…けど…」 周りの客から「こいつアイドル泣かせてる…うっわぁ…」という目で見られ俺は死にたくなった。すると幼女が突然、勝手に拝借していた俺のスマホのディスプレイを指差しこう言った。 「あ、あの子いいんじゃない!新しい役者にしましょう!」 よーく見るとその子はただのインフルエンサーだった。 「えぇ…?今度はガチ目の素人を入れようとしている…!?」 俺が引いているとアイドルが 「し、質問の答えがまだ…」 と言っていたので俺は何故か自慢げに 「あ、監督はこのロリで小説家はこの俺な☆」 と、質問に答えると横の幼女からグーパンが飛んできた。 「げぶあ!?」 「何がロリよ!私には『リン』っていうちゃんとした名前があんのよ!」 …なんかどこぞの超電磁砲が言いそうなセリフだな… 「えぇぇぇ…?この娘が監督とか信じられない…。いや、私が間違っているのかしら…?」 一人で困惑してるアイドルを尻目に俺は窓の奥の町並みを見る。空はこんなに青いのに…お先は…仕事が来てるからなんとも言えないな…今言えることは…まだ12時とか死ぬって。
空はこんなに青いのに、お先は真っ暗。 某不幸体質少年の台詞でござい。