「あ”ー…死にたい。」 その声に、ちょっとおかしな履歴書を見ていた俺は驚いてしまった。 慌てて振り返ると、そこには一人の大人…もとい、この組織の若頭がいた。 俺がそいつのすべてを知っているわけでもなく、わかることは名前が「誠」ということだけ。 それでもここにいれるのは…俺が人間じゃないからだと思う。 人間じゃないからって、ここにいても安全というのとは理由が違う。まあ、強いて言うなら一種の賭けみたいなもんだ。 そいつは度々見せる軽蔑と終了の目で空を見つめると、何を考えたのか遠くに目を逸らした。 「…逃げたいなぁ…。」 ああ、そういうことか。 ちょっと動いた空気に乗った声は聞き慣れたもので、それでも逃げてないのはすごいという感想なんて普通の人にはわからないだろうな。 でも、逃げずに頑張ったのは俺からも褒める。 …俺は逃げられないんだから。 その時、ガチャリ、という音とともにドアノブが回り、それに慣れているように一緒に扉が開いた。 普段から部屋を暗くしているのだろうが、そんなことは関係なしに俺の目にはすべてが同じ明るさで見えている。 …本当なら隙間から漏れ出るはずの明かりが、影を作ったのだろう。その影すら俺には別物に見えている。 「……………」 扉の前にいたのは、若頭の親友…と呼べるような共感性を持つ奴だった。 そこの影を含めて、これが俺のギャンブルだ。 …これは借りた言葉にしか過ぎないがな。 本来なら部屋の中に入れば認知できるような影とそいつだが、あいにく俺はどこにも映らないらしい。 そんな彼の目は、いつの日か若頭もしているすべてを悟ったような、そんな絶望とも、狂気ともとれるような目をしている…なんだけど俺にとっちゃぁ瞳だな。 この状況だけ…なんだろうな。俺の独り言はこうやって呟く。深い意味なんて共有する人がいない。それでも俺が俺を知っているからこうしなければ…いや、こうしたい。 (バレていても、平気なふりするしか無い…よなぁ。) ああ、今か、聞こえるの。俺にもバレバレだよ。 「…あぁ…雹か。…その書類は置いといてくれ。」 そうやっていつもヘラりと笑っている。詮索されなくても、わかってはいると思っている。 …いつもと反応が違うだけだ。 「……若。」 そうやって、重々しくこいつの親友が口を開いてやがる。 結局、俺は無視かよ。 (…どう、言い訳しようかな。) そもそも言い訳できないと思うぞ。 「……俺…もう…限界だわ。」 普段を普通と考えてしまうと、こいつらしくない弱々しい声だとか考えてしまう。 若頭が顔をあげる。普通のスピードに何も言うべきではない。 若頭は、その、雹の全てに諦めた顔を見つめた。 「奇遇だな…私もだ…。」 若頭が、雹と目を合わせる。 そして、笑う。 それで、笑えてなくなっている。 もう…4にたい、いや、生きたくないんだな。 こいつは自分で自分勝手だってわかってるくせに、いうところがらしいんだよ。 「なぁ。…一緒に生きるのやめようぜ。」 俺は…4ぬのをやめたいんじゃなくて、生きたいだけなんだな。 _____________________ 即答で答えられると、考えるのではなく聞く方に意識がむくらしい。 「あぁ…そうだな。…この世の中で生きるのは…辛いな…。」 雹とかいう名前すらあるのに、辛いとか弱音は吐くなよ。本心なら咎めはしないけど。 本心だから、咎められなかった。 こいつの過去の記憶は、よく言葉として考えている。 だから知っている。 10年ほど前に、人として生きれるという希望をいだいていたことも。 「いた」だけじゃあずっと奴隷なんだな。 こいつの人生そんなもんだ。適当に生きるだけで、生きられるんだ。 だから、こうして10年経っている。 心なんていつでも見れることを、こいつらは知らない。 人外だなんて、すぐわかることをこいつらは知らない。 …結末なんて、わからないことをこいつらは知らない。 「…何処で死のうか。…何処で死んだら、幸せになれるかな。」 きっともう二度と光が宿ることのない瞳で、じっと雹を見据える誠。 (…ごめんな。ここまで放置して。) 暗いのはおかしいくらい最高だよ。 「…どうせなら、きっちり死ねる場所がいいな。」 死ぬなよ。初めての死者からの言葉だ。聞こえてないだろうがな。 「…何で生まれたんだろうね。」 諦めのついた声色でも、それが慣れている証拠だ。 本当、そうかもしれない。 俺もわかんねぇ。 こいつらは、自分の意志で自分を使っている。 …ある意味良いように使われているのは本当の事かもしれない。 「…知らねぇよ。…死ぬために生まれたんだろ。」 知らないなら、そんなことは言えない…という屁理屈も押しやろう。 雹が、若頭に手を翳す。 「…本当に死にたいなら俺も同行するし、死にやすくするために手を打つ。……なぁ。本当に今死んで良いのか?」 そんなん、4ぬまでわかんないもんだぞ。 淡い期待は、ほんの少しより少なかった。 それ相当の結果も当然返ってくるわけで、 「……もう、周りがどうとか知らない。…私は…生きることから逃げたい。辛い。…ホイホイ私に託して死んだ人間なんて知らない…!!」 …お前に託してない俺は、いつかも知ってもらえなくなるのだろうか。 「…分かった。…じゃあ誠に1個都市伝説を教えてやるよ。」 こいつが、そんなことを知っているとは思わなかった。 雹によると、都市伝説 ”黒い海”は要約するとその海に呪いが入ると泡になって死ぬ海で、人が入ると呪いになる海らしい。 ……なんだよ、俺の知っているやつじゃねぇか。 それすら用意はできている。なら、もうすぐ俺も終わりだな。 ………最悪、一緒に引きずり込まれてやるよ。呪いに組み込まれているお前といっしょに。 非常にくどいことをするんだな、最終確認をしようとしている。 「……誠はこれから二回、とんでもない激痛に見舞われる。一回目は今。二回目は死ぬときだ。……構わないよな?」 否定しないってわかってる。そのくせに万が一を考えてやがる。 …友情でも、疑惑は拭えないんだな。 何回目かの期待も叶えられるようで、 「…構わないに決まってるだろ。」 そう、全てを捨てた真顔で言われた。 ________________________ その後、雹は軽い説明を始めた。 これから雹は誠に、雹の呪いの半分を一日かけて誠の体に流し込む。 一気に半分入れても多分耐えるだろうけど万が一があったら面倒くさい、が主な理由だそうだ。 そして、2日後にこいつらは自殺しに、黒い海のある国へ向かう。思ったより遠くないところにその国はある。 中々ひどい話ではあるが、別になんとも思わない誠や雹をみて俺の不安は片隅だけで膨らみ続ける。 本当は、この不安を体にぶちまけたい。体などないが。 その国についてからすぐ、雹は若頭に言った。 「ちなみにだが多分呪いは入れ始めが一番酷く痛む。…ま、勿論耐えるよな?若頭サマ?」 雹はそう、酷く酷薄な笑みを浮かべる。そんな表情の裏なんて所詮ただの思惑だ。 これが本来の彼と考えると、今まで良くもまぁ上っ面かぶれてきたよな、と空気感にはそぐわない程に冷静になる。たぶん若頭も同じこと考えているはずだ。 若頭が目を閉じると、雹はそれを間近で確認したあと、俺にも見えるようにそれを始めた。 …俺に見せたわけじゃないだろうが。 痛みを段階的に考えられるほど、それを俺は見ている。 「い”っ…!?」 本当に、そんなことがあるくらいの影響力なんだな。 …改めて思うとよくこいついままでこれに耐えられたな。 たぶん、過去一で見る痛みを眺めるしかない俺は、痛みを想像しながら数分まった。 「……雹。」 若頭らしい声色がちょっと混ざっている。 「…何だ?そんな痛かったか?」 ……これはやばいぞ。 「…この部屋の掃除、あと私の家の掃除。あと書類諸々から私の存在を消せる範囲で全部消して。…いや…消せ。若頭命令だ。」 すると雹が観念したようにため息をつく。 「なんでおm…」 うん沈黙は肯定だね!!!!やれ!!!!!! …残念ながら、俺は助けられない。 こいつらは取り敢えずアジト内部から順番に掃除…いやもう呪いに全部取り込ませて強制的に処分させ始めた。 2時間立つ頃には、誠が居たと証明できるものは何もなくなった。 ……これで俺の証明も残せなくなったのか…? あきらかに呆れたような表情を作った若頭。 「……何を持って、その人は存在したとか決まるんだろうな。」 そんなん、俺にもわからねぇ。 俺の生前の存在は決まっているらしいが、今の存在は決まったとは言えない。 (何を持って記憶というのか。どういう定義で人は死んだというのか。) 深いことしか考えてねぇなこいつ (何処まで壊せば、人は存在しなかったことになるのか。) 俺の下手くそな哲学によると、人の存在は消せないらしい。 「……人々の記憶じゃねぇの?物的証拠なんて簡単に消えるだろ。」 俺の下手くそな哲学は信憑性がないようだ。 その答えに笑う若頭は、どこまでこいつを親友として見ているのか。 「…ッハハ!!…じゃあさ、すぐに私もアンタも二重で死んじゃうな〜」 雹が軽く顔を顰める。 「…俺の存在をそう簡単に忘れるやつ居るか?…まぁどうでもいいか。」 ……そんな、色々と雑で適当で良いようにされがちな彼らしい回答を聞いても、それを俺が否定できることを、まだ知ってくれていない。 ________________________ 〜自殺当日〜 ________________________ …改めて何日もついて行っていると、コイツラのヤバさが見えてきた。 二人はコソコソ逃げ回っていたのだが、もちろんそれでも誰かと合うことはあるだろう。 …でもいくらなんでも速攻で56すのはなしだろ() そいつらの4後は見れこそしないものの、ちょっとこの二人はやばい人なんだな…と思った。 ……そして今。 俺とそこにいいる二人の眼の前には…あの都市伝説そのものがあった。 懐かしい潮風に合わせて、俺も揺れる。この存在は風で簡単に揺れるものである。 「…うーわ。マジであったよ…都市伝説も馬鹿にできねぇんだな…。」 雹が珍しく思う前に引きつり笑いをした。 ……まあ無理もない。そこには変、というか明らかに駄目ないきものがうじゃうじゃといるからな。 雹にとっては明らかな死地だろう。まあ下手に入れば俺の死地にもなるがな。 「…ねぇ雹。…思い残すこととか。墓場に持ち込めない感情とか…ある?」 (あるなら待ってやるぞ) ……雹は超能力とか特別ななにかがなくても若頭の気持ちはわかっているらしい。 「…あるさ。勿論。」 雹が重く堅苦しく口を開いた。 「…俺が……俺等が居なくても、この世の中はきっと回るだろうけど、アイツはどうなんだろうな。…俺が居ない世界でどうやって今まで通りに生きるんだろうな。……本当は不安だ。俺の後を追うんじゃないかなって心底不安だ。」 「あの馬鹿は…まぁ、どうせ変わらねぇだろ…。面白いおもちゃが1個減ってそれで終わりだろうね…ッハハ…おもちゃなんていくらでも買い替えられるからなぁ…。俺が死んでもきっと同じさ。」 「…隣りに居る貴女は…この逃避行を幸せに思っているのだろうか。」 誠がピクリ、と反応した。それを見て見ぬふりをして、雹は続ける。 「…俺が…あの時弱みを見せなければ、貴女は何かの幸せを、これよりも大きな幸せを手に入れていたのだろうか。……俺は…貴女の一生を奪って壊して…貶して。……何がしたかったのだろうか。」 もう、俺は何も言えねぇ。これからは二人の時間だ。 視界が、ちょっと歪む。 きっと、こいつらは、こんな弱音を吐けるのは、人生最初でなくて最後なんだろうな。 (人生最後の…唯一の救いだ。) なんか、雹の、声が、聞こ、えて …ああ、そうか。お前らの死期が俺の最初より遠い最後間際を生み出しているんだな。 __ 続きはメモクレ
使い方の続きです。はい。 「…俺は、他人の一生を掻き回して崩して、どうでもいい他人に勝手にリスペクトされて、面倒事になって。…俺の一生に何か意味があったのか?」 そうだな、俺の一生をかき回して崩したな。それも史上最高に。 ……正直、お前の一生に意味がなくなって欲しいと思っていた。 「…もう、とっくに何も分からなくなってるんだ。俺の幸せが何だとか、生きているメリットとか、損得勘定とか、善悪とか、何もかもわからないんだ…っ…愛?恋?友情?なんだよ…。」 ……わかんないなら、なんで生きれるんだよ? ……心を泣かせるなよ。この涙が流せたら少しでも楽になるのに。 もう、全部どうだっていいのか? 「俺は…!!!…生まれてこなけりゃ良かった!!!!!所詮は忌み子なんだよ!!!…全部おっせぇよ…生まれた時点で…。」 それは、前文の説が通じなくなる。ちょっと、泣けないだけ気持ちのやり場に困ってしまう。 俺より遅れて、雹の奴が泣き出した。涙を流せるだけのやり場があるだけ、不快なんかより心地よいことを感じて欲しい。 「…手遅れだったんだよ…ッハハ…。」 俺も、お前も、何もかも手遅れなんだな__ …………。 誠が、雹の手をとり、引く。その手が、ちょっと強すぎる。 二人が歩くその先には、黒い海が広がっていた。 「…全部全部手遅れなら、唯一の幸せの方に歩こうよ。」 ようやくその声で、雹が落ち着いた。強すぎるのも、心が弱った一つの原因かもしれない。 …結局、俺だけ、バットエンドか 「…私が最期の気がかりはね。3つあるの。…海に入る前に聞いてよ。」 聞くことしかできないんだ。俺も一緒に…いや、やっぱり少し遅れて入ってやろうかな? 誠が、雹をあやすような、優しい声色で話す。俺なんかではなく、当たり前のように雹だけに。 「…1つ目はね、杭のこと。……きっと、私達が居なくなったことで一番慌てて探すのは絶対に杭。…そんで、この存在にも簡単に辿り着くと思うんだ。…それで、この海に来ないかが不安材料の1つ目。」 …あいつ、杭っていう名前なんだな。死ぬ前に覚えている一つ情報が増えちまったぜ。 「2つ目はね、孤児院のみんなとか、鉄坐村さんとか、組織の人たちとか…そういう細々した人たちから心無いことをやいのやいの言われること。…いや自業自得だっていう自覚はあるけど…幸せを理解してくれないのは流石にちょっと傷つくというか…うん…。」 雹が苦笑するが、俺は理解できずにいる。 そういや、こいつの過去知らないんだった、俺。 (…俺等なんか理解できてたまるか) …そうだな、お前らのことなんか理解してたまるか。 ___それでも、暇つぶしにつきやってやるよ。もちろんお前らとは違う目的でな。 「3つ目は…私の隣りに居る貴方のこと。」 雹が一回瞬きをして、落ち着いた様子に変わった。 「…私がどうだって良い弱音を零したから、言わせたのかなってずっと…ずっとずっと気がかりだった。…全部私が悪い気がしてた。…私は、私のことが一番嫌いだった。…今も好きにはなれない。」 …でもね、と誠が言葉を続ける。 「…雹のお陰で…ちょっとマシに思えた。…人生の最期に語る人が貴方でよかった。…こんな幸運は、生きている中で絶対に無いと思う。…私の弱音に付き合ってくれてありがとう。…そしてごめん。……くだらない弱音の道連れにしちゃって。」 …笑顔で泣く誠を横目に、俺は言葉の方に気が向いていた。 なんだ、これは、最高のMerryなんだ。幸せなんだ。 いつしか見た夢の内容は最悪だった、でも、 __幸せだった。 これも、似たようなものなのだろうか。 __雹は誠の頭を撫でた後、背後に迫っていた黒い海に向かって二人一緒に、手を繋いで倒れる。 また、痛みが見えちまうよ。 先日の呪いの移動より、ずっとずっと痛い夢。痛くて、あとから飛んでくる幸せの夢。 どうしようもなく、二人は楽しんでいた。 こいつらは、死の間際が、一番楽しいんだ。 「…ッハハ!!」 雹が、誠に少し…ではない量の水を掛ける。 「…っ!?…やったなこの野郎!!」 そして雹は誠に水をかけられる。 黒い海なだけあって、そこにある水も黒だった。 時々隠れる横顔にも最高級の楽しみを金庫から空けている。 __俺にも、少しあたった。 ちょっとの水の動きを、二人は見ない。 いよいよか。何度目かわからない決意をする。 二人きりで、踊る。 俺は、それを見る観客。 イルカショーみたいに少しかかった水が俺の無い体を溶かしていった。 「…なぁ!!…俺等にしては最高のハッピーエンドだな!!!」 心も黙らせながら聞く。 「…そうだな〜…私達が…こんなに良いハッピーエンドにいけるとはな〜」 「…本当…素晴らしいハッピーエンドだよ…。…勿体ないくらい、大団円の…な。…最後の最後で掴んだ運ってこれかぁ〜…」 「…なぁ雹。…一緒に溺れないか?…この海に…絶望と希望と幸運が詰まっている黒い海に、…どうだ?」 「…じゃあそうしよっか。」 そうして二人は溺れていく。黒い水の中へと。透けて見えなくなると、俺も一緒に溺れに行った。ハッピーじゃないエンドに。 「襲われるのが先か、特殊な海に溺れるのが先か、それとも両方泡になって死ぬのか。…俺達の死に方はどれだろうね?」 雹がいつもよりの笑顔で冗談めかして言うと誠がニヤリと笑う。 「…お、人生最期のギャンブルのお時間?」 雹がそれに答えるようにニヤリと笑う。 「大正解。ちなみに俺は溺れる方に賭けるわ。」 そして、こいつらはもう後ろから大きい怪物が来る気配を感じているはず。 「…じゃ、私はロマンチックに泡になる方に賭けるわ〜」 誠がそう、くしゃり、と笑う。 ここからはもう、スローモーションだ。 そして今更気づいたのであろう雹が、すぐに口を開いた。何回もそう見えるほど、どこか美しい物語だ。 「…あ、これ俺等の身長差の関係で揃わねぇじゃん。」 すると、誠が勝ち誇ったように、少しためてから、笑って、言った。 「…ま、だろうね〜…じゃ、私はお先に泡になっていきますね〜」 そう、「ばいばい」とでも言いたげに肩を動かした。 …………。 誠は、そう遺した後、跡形もなく泡になる。 …強いて言えば、誠の赤いピアスが残ったことだろうか。 雹が赤いピアスを大事そうに握りしめる。 後ろには大きな口を開けて雹を喰おうとしている怪物がいる。 「悪くない一生だったぜ!!」 …死に際さえよければ、どうでもいいのか。 俺も、こいつも、もうすぐそっちに行く。 __いつ、だれがそっちがわがあるなんて言ったんだろうな。 怪物の牙が、影として見える位置に、雹はいる。 (…あぁ。そういや昔の話を思い出すな。 ……誠に言われたっけ。 「影で生きるしか無い?…まぁ良いじゃん〜……だって影は実体より大きくなれるんだぜ?」 そう、楽しそうに笑う誠を思い出し、懐かしんでいる。 …そして、意識が急激に薄れていく。) …そいつの最期に見えたのは____。 ニヤニヤと笑う、数多もの大量の呪いと、俺を引き裂かんとする手。 そして、紅い、この世の何よりも紅い、何処か輝くピアスだった。 __これがハッピーエンドだ。 ________________________ 呪いの海に揺蕩う、たった2つの命は、なんだったんだろうか。 わからないけど、一つだけわかる事実はある。 __それが、人生における最大の幸福であり、快感であるということだ。 ____そうしてずっと溺れていた俺は、あの世でアイツラに会えることを願いながら、泡となって消えた。 ________________________ はい。どうも。血の臓器です。 なつきち様の小説の最後を勝手に伏線と捉えて別視点の小説を書きました。 誠に勝手ながら申し訳ございません。しかし、やっぱり二人のやりくりが破壊済み情緒をさらに揺らさせられて、偏見でちょっと落としました。 あ、別に誠と雹のことは妬んでないよ(???) ということで、勝手に書いた小説でした。駄目だったら即消します。 See you later.(また今度小説書くよ、新作あるかもしれないから5年くらいあとを楽しみに(???))。